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NVIDIAやミシガン大学、カリフォルニア大学バークレー校などの共同研究チームは、ロボット制御プログラムを自動生成し、実行エラーを自律的に修正する新たなフレームワーク「ASPIRE(アスパイア)」を発表しました。従来のロボット学習では、タスク全体が失敗したという結果(フィードバック)しか得られず、原因特定と修正が困難でしたが、ASPIREは動作ごとの詳細なログを記録してバグを特定します。さらに、修正で得た解決法を「再利用可能なスキル」として蓄積・再利用する仕組みを備えており、未知のタスクにおける実行成功率を大幅に向上させました。
ASPIREは、中央調整システムがロボットの制御コードを生成する複数のAIエージェントに指示を出す「コーディネーター・アクター」構成を採用しています。従来のシステムと異なり、ASPIREの実行エンジンは認識や把持(オブジェクトを掴む動作)などの基本動作ごとに、画像やポーズの推測結果、計画データを含むマルチモーダルな実行ログ(トレース)を保存します。これにより、エラー発生時に対象箇所を正確に特定(fault localization)してピンポイントでデバッグ可能です。また、ひとつの解決策に固執してループに陥るのを防ぐため、各ラウンドで複数のプログラム候補を生成して異なるアプローチを模索する「進化的探索」も取り入れています。
シミュレーション環境における評価において、ASPIREはロボットアームによる物体操作や家事タスクなどで従来手法を大きく上回る成果を示しました。特に、事前に蓄積したスキルライブラリを再利用して未知の長大タスクに挑む「ゼロショット(事前学習なしでの実行)」テストでは、従来手法が約4%の成功率に留まったのに対し、ASPIREは約31%に達しました。さらに、シミュレーションで発見されたスキルは、シミュレータとは異なる物理形状やAPI(制御方式)を持つ実機ロボットにも転送可能であり、缶の持ち上げや引き出し開けといった作業でデバッグ費用(トークン消費量)を10分の1に抑えつつ成功率を大幅に引き上げることに成功しました。
ASPIREの登場は、ロボットプログラミングの自律化とスケール(規模拡大)において重要な一歩です。コード生成の頭脳として「Claude Code」や「OpenAI Codex」などを採用し、人間がコードを書き下すことなく「ロボット自身が試行錯誤を通じて再利用可能な技術ライブラリを拡張していく」姿は、自律型物理エージェントの未来像を示しています。複雑な実世界でのタスクや、異なるロボット機体(エンボディメント)への応用が期待され、物理世界における自動化の発展がさらに加速すると見られます。
引用元:MarkTechPost