AI関連の最新ニュースをピックアップ
米ワシントン大学などの研究チームが発表した論文「AI Fiction in the Wild」により、ChatGPTとの実際の会話データ(WildChatデータセット)約57万件の分析結果が公開されました。それによると、会話全体の34%がオリジナル小説の執筆、二次創作、あるいはキャラクターとのロールプレイといった「フィクション生成」に利用されていることが判明しました。
フィクション目的の利用のうち、既存のマンガやゲームの登場人物を登場させる「二次創作」が49%、性的な表現を含む「エロティカ(官能小説)」が27%を占めました。具体的な対象作品としては「ドキドキ文芸部!」「NARUTO」などが多く、読者の個別のこだわりやニッチな好みに無限に応えられるAIの強みが反映されています。
これらの創作活動の80%以上は、全ユーザーのわずか2%にあたる「超ヘビーユーザー」によって生成されています。何千回も同じキャラクターの僅かに異なるストーリー展開を繰り返し書かせる利用実態が確認されています。研究者は、読みたいものだけをAIに書かせて自分で消費する「自己完結型」のループにより、他者の視点に触れる従来の読書体験の社会性が失われる危惧を指摘しています。
本研究は、AIが個人の好みに最適化した「究極のポルノグラフィックな読書」の温床となっている側面を浮き彫りにしました。読者ニーズを満たす新しいエンターテインメントの形である一方で、人間同士が物語を共有するつながりの希薄化という文化的なリスクへの警鐘となっています。
引用元:ITmedia NEWS