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AIスタートアップのAnthropicが、中国のビッグテック企業であるAlibabaのAI研究部門「Qwen lab」から「蒸留(ディスティレーション)攻撃」を受けているとして、ホワイトハウスの関係者や米上院議員に対して公式な告発文書を送付したことが明らかになりました。Anthropic側は、同社の主要AIモデル「Claude」の知見や機能が不正かつ大規模に抽出され、AlibabaのAIモデルの性能向上に利用されたと主張しています。
「蒸留」とは、高度なAIモデルへ様々な入出力を繰り返し、その応答データを収集することで、別モデルのトレーニングや性能向上に流用する手法です。これは一種の技術窃盗(知的財産の侵害)とも見なされており、Anthropicは同様の脅威に対抗するため、競合関係にあるGoogleやOpenAIとも連携して「敵対的蒸留」への対策を進めています。
Anthropicの報告によると、2026年2月以前に検知されたDeepSeekやMiniMax、Moonshot AIといった他の中国系新興AI企業からの攻撃は、約2万4000件のアカウントを用いて合計1600万回の対話を行うものでした。しかし、今回のQwen labによる攻撃は、2026年4月から6月までの短期間に約2万5000件の偽アカウントを駆使し、2880万回以上という過去最大規模のアクセスを実行していたことが判明しました。なお、Alibabaは今回の非難に対して公式なコメントを出していません。
AI分野における最先端モデルの知財保護は、技術的な競合のみならず、米中の国家安全保障や規制を巡る対立にも発展しています。今回の告発は、政府とAI業界が一体となった防御策の整備を加速させる契機となる可能性が高く、中国のAI企業に対する米国政府の監視やアクセス制限が今後さらに強まることが予想されます。