AI関連の最新ニュースをピックアップ
英Google DeepMindが公開した論文「From AGI to ASI」において、AIの進歩を測定・モデル化し、予測する行為そのものが、膨大な経営資源を投入すべき一大研究分野、および新たな産業になるという重要な指摘がなされました。AIの成長が指数関数的になることで予測の不確実性が急激に高まり、従来の固定的な見通しだけでは企業の意思決定に役立たなくなるためです。
AIの進化速度を測定するための土台として、計算資源の伸びを示す「実効計算量(effective compute)」が指標に用いられます。この指標は年約10倍のペースで成長を続けており、10年後には現在の1万倍に達する計算になります。実効計算量の成長は、半導体の性能向上(年約1.5倍)、計算ハードへの投資額(年約2.5倍)、アルゴリズム効率の向上(年約3倍)の3要因の掛け算で整理されており、特に非公開であるアルゴリズム効率化を外部から逆算する分析能力が競争力になります。
AIモデルの進化が速すぎて既存のテストはすぐに満点に達するため、難易度の異なるテストを繋ぎ合わせて一本のものさしにする「ベンチマーク・スティッチング」などの手法が求められます。さらに、AIが自律的にAI研究を加速させる「再帰的改善スケーリング則」の定式化なども、指数関数的な進化モデルを予測するアプローチとして注目されています。
AIが爆発的な進化を遂げる時代においては、AI自体の進歩を精度高く予測することが、ビジネスや投資、技術選定の前提条件となります。固定的な一つの予測に頼るのではなく、不確実性の幅を絶えず再評価し、定量モデルのアンサンブルや公開情報の逆算推理によって予測をアップデートし続ける「予測産業」が生まれることは、今後の企業経営に大きな影響を与えます。