AI関連の最新ニュースをピックアップ
アリババグループの言語モデル「通義千問(Qwen)」の元開発責任者である林俊洋(Lin Junyang)氏が設立したAIスタートアップが、シリーズ最初の資金調達ラウンドを完了しました。本ラウンドは高榕資本と紅杉中国(Sequoia China)がそれぞれ1億ドルを出資して主導し、テンセントも2,000万ドルを投資。調達総額は数億ドルに達し、ポストマネー評価額は20億ドルを記録しました。
林氏は1993年生まれ。北京大学外国語学院で修士号を取得し、言語学と計算機科学の境界を専門としています。2019年にアリババの達摩院(DAMO Academy)に入社し、マルチモーダルモデル「M6」の開発などに従事。2022年末からは通義千問(Qwen)シリーズの技術責任者となり、同グループで最も若い「P10」レベルの技術リーダーの一人となりました。
2026年5月から6月の約1ヶ月間で、林俊洋氏の個人名義で「御用(上海)科技有限公司」や「上海布拉格科技有限公司」などの関連企業が登記されました。現在のAIスタートアップに多い「基礎的な大規模言語モデル」の競争からは一歩引き、林氏がアリババ時代から関心を示していたロボット工学や「世界モデル(World Model)」、「身体性AI(Embodied AI)」の領域に注力する可能性が高いと報じられています。
アリババのQwenプロジェクトで頭角を現した若き技術者、林俊洋氏の独立と大型調達は、中国のAIスタートアップシーンにおける新たなパワーバランスの形成を示唆しています。テンセントや紅杉中国といった巨大プレイヤーからの出資を獲得し、評価額が早くもユニコーン水準に達したことは、同氏の技術力と将来ビジョンへの期待値の高さを示しています。