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米Meta(メタ)が、AI分野へのインフラ投資を加速させる資金調達策として、数十億ドル(数千億円)規模の新たな株式売却スキームを検討していることが報じられた。同社は最近、全従業員の約1割にあたる約8,000人のレイオフ(一時解雇)を含む大規模なコスト削減を実施したばかりである。しかし、2026年の設備投資(CapEx:データセンター建設などの有形資産への投資)予測は最大1,450億ドル(約22兆円)に達する見込みで、人員削減による節約分だけでは莫大なAI開発コストを賄い切れない厳しい実態が浮き彫りになっている。
Metaの2026年設備投資額(最大1,450億ドル)は、前年実績からほぼ倍増する規模であり、同社が全従業員に支払う給与総額の4〜5倍に相当する。CFO(最高財務責任者)のSusan Li氏は、以前の決算説明会で「人員削減はAI分野などの他の投資を相殺するため」と説明していた。この発言は、レイオフが単なる効率化だけでなく、GPU(AIの高度な計算処理を高速化する半導体チップ)の購入や電力確保の資金捻出を目的としていたことを示している。
今回の株式売却の議論は、今月行われたGoogleの親会社であるAlphabet(アルファベット)による歴史的な850億ドル規模の増資の成功に刺激されたとされる。Alphabetは「強制転換優先株」と呼ばれる仕組みを活用し、現金を即座に確保しつつ、普通株の株式の希薄化(1株あたりの価値が低下する現象)を数年間先送りすることに成功した。Metaも同様の仕組みを研究しており、同社の取締役でAI財務戦略を担当するDina Powell McCormick氏らが中心となり議論を進めていると報じられている。なお、Metaの広報担当者は本件について「純粋な憶測」とコメントしているが、資金調達の柔軟な選択肢は維持する方針である。
Metaは2022年以降、データセンター建設費用などで約550億ドルの負債を抱えている。さらに、GoogleやMicrosoft、Amazonとは異なり、Metaは顧客に計算資源を貸し出して直接収益を得る「クラウドサービス事業」を持たない。そのため、巨額のAI投資はすべて自社のSNSプラットフォームにおける広告効率向上や、独自AI機能の提供による間接的な効果で回収する必要があり、投資効率に対する市場の懸念は他社より強いと見られる。
メガテック企業(ハイパースケーラー:巨大なクラウドインフラを提供するIT企業)4社による2026年のAIインフラ総投資額は、合計で7,250億ドルに達する見通しである。この過酷な開発競争においては、人員の削減だけでは太刀打ちできず、高性能GPUの確保とそれを稼働させるクリーンな電力をいかに確保するかが勝敗を分ける。
編集部注:Metaが株式売却に踏み切るか否かは依然として未確定である。しかし、人員削減を断行した裏で、これほど大規模な資金調達の選択肢を模索せざるを得ない事実は、生成AIの主導権争いがどれほど資金集約的で熾烈なフェーズに突入しているかを物語っている。株主価値の低下を恐れる市場に対し、同社がAI投資から確実なリターンを生み出す回収ロードマップを提示できるかが、今後の持続的な成長に向けた最大の鍵となるだろう。