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ChatGPT(チャットジーピーティー)の開発元である米OpenAI(オープンエーアイ)が、米国証券取引委員会(SEC)に対し、IPO(新規公開株、未上場企業が株式を一般公開すること)のための登録申請書「S-1」を秘密裏に提出し、株式公開の準備に入ったことが明らかになりました。目標評価額は最大1兆ドル(約150兆円)とされており、先行して上場を準備中の競合企業であるAnthropic(アンソロピック)や、イーロン・マスク氏率いるSpaceX(スペースエックス)と並び、近年のテック市場における超大型IPOとして市場の注目を集めています。
OpenAIの業績と利用規模は、極めて速いペースで拡大を続けています。2026年3月時点で月間売上高は20億ドル(約3000億円)に達しており、これは2024年末時点の四半期売上高(約10億ドル)から急増しています。この成長スピードは、モバイルやインターネットの黎明期を代表するGoogle(グーグル)やMeta(メタ)の4倍以上とされます。また、ChatGPTの週アクティブユーザー数は9億人を突破し、個人向けの有料サブスクリプション(月額課金)会員数は5000万人に達しています。同社は今年、SoftBank(ソフトバンク)やAmazon(アマゾン)、NVIDIA(エヌビディア)などから8400億ドルの評価額で1100億ドルの資金を調達したことでも話題となりました。
OpenAIは2015年に非営利の研究所として発足しましたが、膨大なAI開発費を賄うために営利部門を設立。現在は、資金調達を容易にするために、公益法人(パブリック・ベネフィット・コーポレーション、社会的利益と株主利益を両立する組織形態)への組織変更を進めています。この動きに対し、初期の出資者であるイーロン・マスク氏が「人類の利益という当初の約束に反する」として訴訟を起こしていましたが、2026年5月に米陪審員がマスク氏の訴えを退ける評決を下しました。この法的紛争の解消が、機密でのIPO申請に向けた大きな後押しになったと見られます。
OpenAIのIPOは、AI業界および世界の株式市場にとって歴史的な試金石となる見込みです。巨額のインフラ投資と売上成長の持続性を市場の投資家がどう評価するかが注目されます。また、同社は上場に先立ち、主要出資者であるMicrosoft(マイクロソフト)との提携関係を再交渉し、提携先をAmazonやGoogleのクラウドインフラにまで広げるなど、独立性の確保とインフラ基盤の強化を着実に進めている模様です。