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米決済プラットフォーム「Ramp」が2026年6月3日(現地時間)に公開した月次調査結果において、中国のAI企業である「DeepSeek(ディープシーク)」が、急成長しているソフトウェアベンダーの首位を獲得しました。この調査は5万社を超える企業の取引データに基づいており、米国の多くの企業がAIの利用コスト高騰を背景に、OpenAIやAnthropic(アンソロピック)などの高額なフロンティアモデル(最先端の超高性能AIモデル)から、圧倒的に低価格なDeepSeekのAPI(アプリ同士を接続する窓口)課金へと直接乗り換えている実態が明らかになりました。

米国製の主要AIモデルとDeepSeekの価格差は極めて大きく、100万トークン(AIがテキストを処理する最小単位)あたりの料金を比較すると、OpenAIの「GPT-5.5」(入力5ドル/出力30ドル)やAnthropicの「Claude Opus 4.8」(入力5ドル/出力25ドル)に対し、DeepSeekの「DeepSeek V4-Pro」は入力0.435ドル/出力0.87ドルと、最大で10倍から30倍以上の低価格で提供されています。また、AIコーディングエージェント(自動でプログラミングを行うAIツール)「Cline」の開発者サウド・リズワン氏も、ユーザーのかなりの割合が安価な中国製オープンモデル(設計図が公開されたAIモデル)へ切り替えていると報告しており、現場レベルでの急激なコスト移行を裏付けています。
Rampのリードエコノミストであるアラ・カラジアン氏は、今回の移行がオープンモデルを自社サーバーでセルフホストする形態ではなく、企業がDeepSeekに直接データを送信してAPIを利用している実態を指摘しました。セキュリティ面や競争上の懸念が一部で指摘されつつも、コスト削減のメリットが上回っている状況です。また、企業がOpenAIやAnthropicに依存せず、Fireworks AIなどのインフェレンス(AIに推論・実行させる処理)プラットフォームを介してオープンソースモデルを実行するケースも増えており、コスト管理を重視した「トークン経済」の広がりが見られます。
今回の調査は、AIモデルの選定において「コストパフォーマンス」が極めて重要な判断基準になっている現状を浮き彫りにしました。しかし、Rampのカラジアン氏は、2025年1月にもDeepSeekの一時的なブームとそれに続く採用率の下落(0.3%から0.1%へ)が確認されたことから、この移行トレンドの持続性を過大評価すべきではないとの見解も示しています。米国主要ベンダーが今後どのように価格競争へ対応していくかが注視されます。
参照ソース:ITmedia AI+ / The Decoder
ITmedia AI+
AIコスト高騰で米企業が中国DeepSeekへ移行、SaaS支出調査で急成長ベンダー首位に
米Rampの支出調査で中国DeepSeekが急成長ベンダーの首位に。米国勢より1~2桁安い料金を背景に、DeepSeekへ直接支払う米企業が増加。AIエージェント「Cline」の開発者も同様の乗り換えを報告した。
https://www.itmedia.co.jp/aiplus/article/2606/05/2000000060

The Decoder
Deepseek topped Ramp's trending software vendors in June 2026 as US companies chase cheaper AI
Deepseek topped Ramp's trending software vendors in June 2026 as a paid service that US companies send data to directly. Ramp chief economist Ara Kharazian points to growing cost awareness as a driver but warns about security risks of using Chinese models.
https://the-decoder.com/deepseek-topped-ramps-trending-software-vendors-in-june-2026-as-us-companies-chase-cheaper-ai