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韓国と米国に拠点を置くチップスタートアップXCENAは、評価額5億7,000万ドルで1億3,500万ドルのシリーズBを調達したと発表した。同社はAI推論の真のボトルネックはGPUなどのコンピュートではなくメモリにあるという独自仮説のもと、DRAMの近くに演算処理を持ち込む独自チップ「MX1」を開発している。
ChatGPTなどのAIにプロンプトを投げると、データはメモリ→CPU→GPU→メモリというラリーを繰り返しながら処理され、単語を生成するたびにこのサイクルが繰り返される。XCENAのCEO Jin Kim氏は「CPUとGPUは何十年も賢くなり続けてきたが、メモリは進化しなかった。それを変えるのがXCENAの使命だ」と述べている。
XCENAが開発するMX1チップはCXL(Compute Express Link)を通じてCPUに接続し、データがメモリモジュールから外に出る前に処理を完結させる。これにより、前処理、KVキャッシュ管理(モデルが過去の会話文脈を保持するシステム)、データキャッシュといった処理がDRAM上で直接実行される。同社は従来10台のサーバーが必要だった処理を1台に集約できると主張している。
今回のシリーズBラウンドはAtinum(韓国)とIMM Investmentが共同リードし、Corstone Asia、SBI Investment、Mirae Asset Capitalも参加した。競合にはNasdaq上場のAstera LabsやMarvellがいるが、XCENAは「数千個のRISC-Vコアを持ち、垂直統合した独自アーキテクチャ」が差別化要因だと強調する。MX1はまだプロトタイプ段階で、2026年末にSamsungのファンドリーで量産開始、2027年からの収益化を目指す。
XCENAの調達は、AI推論コストの削減に向けてメモリ中心のアーキテクチャに着目する投資家の期待の高まりを示している。Samsung、SK Hynix、Micronなどメモリ大手がいずれも時価総額1兆ドル超えを果たした今月の動きとも符合する。ハイパースケーラー向けのAIインフラ効率化という大きな市場機会に挑むXCENAが、量産とスケールアップを実現できるかが今後の鍵となる。