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米OpenAIは2026年10月26日、自社の社内AIモデルを通じて、数学・計算機科学・物理学の3領域において重大な学術的難問を解明する新たな発見を達成したと公式発表した。波動方程式の「局所平滑化予想」の全次元証明、計算複雑性理論における「指数時間仮説(ETH)」の反証、および相互作用する場の量子論(量子色力学・ヤン=ミルズ理論)の存在証明を含み、定理証明支援系「Lean 4」による形式化コードを公開して学術コミュニティとの共同検証を進めている。
OpenAIが公開した3つの成果は、いずれも各分野で数十年にわたり未解決だった根本的な予想や課題に関わるものである。
| 分野 | 対象となった課題・予想 | AIモデルによる発見内容と検証手法 |
|---|---|---|
| 数学(調和解析) | 局所平滑化予想(Local smoothing conjecture) | あらゆる空間次元において局所平滑化が成立することを証明。新たな補助的偏微分方程式を導入し、未解決だった掛谷予想や制限予想の全次元解決にも波及。Lean 4形式化を完了 |
| 計算機科学(計算複雑性) | 指数時間仮説(ETH: Exponential Time Hypothesis) | 長年成立すると信じられていた指数時間仮説が「偽」であることを反証。SAT問題などの計算量限界の見直しにつながる可能性を提示。Leanで検証済み |
| 物理学(場の量子論) | 量子色力学(QCD)および量子ヤン=ミルズ理論の存在 | 4次元時空においてゲージ場とフェルミオンを含む相互作用する場の理論の数学的に厳密な存在を証明。ミレニアム懸賞問題のヤン=ミルズ理論の一部をカバー |
数学分野の成果は2026年10月18日にモデルから出力され、翌日にLean形式化を完了した。自然言語の原稿とLean証明はGitHubリポジトリで即座に一般公開されている。
計算機科学分野の指数時間仮説の反証は10月16日に達成され、カリフォルニア大学サンディエゴ校のRussell Impagliazzo教授やマサチューセッツ工科大学のRyan Williams教授らの研究グループが検証と論文取りまとめを主導している。
物理学分野では、ノーベル物理学賞受賞者のDavid Gross氏やArthur Jaffe氏らが参加するグループが担当し、理論の複雑さを考慮して専門家グループが論文として体系化を進めている。
OpenAIは、自社AIが生み出す成果を「未加工の研究データ」と位置づけ、学術界との健全な協業を確立するために以下の4原則を提示した。
分野によって公開手法を変えており、数学と計算機科学ではAIの生出力を即座に公開した一方、物理学では専門家グループの判断により論文としての整理を優先している。
本発表の独自価値は、AIが単なる計算支援やコード生成にとどまらず、人類のトップ数学者や理論物理学者が長年解けなかった厳密な証明体系を構築できる段階に達した点を示したことにある。
定理証明支援系(Lean 4(数学の証明をコードとして記述し機械検証できるプログラミング言語))によってステップごとの論理的整合性が検証されているため、従来の言語モデルで問題となっていたハルシネーション(もっともらしい誤り)の排除が試みられている。
ただし、以下の留意点と未確認事項がある。
OpenAIが科学コミュニティに向けて検証会議の資金提供を約束しているように、AIが提示した突破口を人間が精査し、新たな理論的枠組みへと昇華させる新しい協業形態が始まっている。機械による発見と人間による概念化の融合は、基礎科学の研究手法を抜本的に変革していくとみられる。
引用元:GIGAZINE