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米Perplexityと米NVIDIAは2026年10月26日、複数ステップの作業を自律実行するAIエージェント「Perplexity Computer」のローカル実行環境「Portable Computer(Perplexityの自律エージェントをローカル端末上で動かす実行環境)」を、NVIDIA RTX搭載Windows PC向けに提供開始したと発表した。24GB以上のビデオメモリ(VRAM)を備えたGeForce RTXやRTX PROワークステーションに対応する。機密データを外部クラウドに送信することなくPC上で安全に処理でき、ローカル完結のタスクではPerplexityのクラウドクレジットを消費しない。
Portable Computerは、端末ローカルで動作する小規模モデルを活用し、データ分析や複数ファイルからの情報統合、反復的な定型業務を自律実行するソフトウェアだ。Windows版アプリのリリースにより、日常的なオフィス環境での導入が容易になった。
対応モデルとして、Perplexity Computerと連携するよう事後学習され、NVIDIA RTX GPU向けに最適化された「Qwen 3.8 27B(Alibabaが公開した270億パラメータのオープン重み言語モデル)」などが用意されている。利用者は複雑なソフトウェアスタックや環境構築を行うことなく、アプリ導入後すぐにローカルエージェントを利用できる。
また、業務アプリとの連携コネクタとして、Microsoft Outlook、OneDrive、Word、Google Drive、Gmail、Slack、GitHubなどをサポート。例えば、GitHubの未解決プルリクエストをローカルで分類して次のアクションを整理したり、税務申告書や取引履歴などの機密文書を外部へ送ることなくローカル解析させたりすることが可能だ。
2026年8月に発表された先行バージョン(LinuxおよびNVIDIA DGX Spark向け)からの進化点と、従来のクラウド版との違いは以下の通りである。
| 項目 | 今回のWindows版 Portable Computer | 2026年8月先行版 | 従来のクラウド版 Perplexity Computer |
|---|---|---|---|
| 対応OS・環境 | Windows 11 / 10(GeForce RTX / RTX PRO) | Linux、NVIDIA DGX Spark | クラウドWebブラウザ環境 |
| VRAM要件 | 24GB以上(GeForce RTX 3090/4090/5090等) | DGX Spark統合環境 | 端末スペック不問 |
| クレジット消費 | ローカル実行時は無消費(無料) | ローカル無消費 | 実行ステップごとにクレジット消費 |
| データ保護 | 機密ファイルは端末内に完全保持 | 端末内保持 | クラウドサーバーへデータ送信 |
| クラウド連携 | 高度推論時にユーザー承認を得て連携 | クラウド連携対応 | 常時クラウド実行 |
Portable Computerは「ローカルファースト」の思想に基づきつつ、複雑な高度推論が必要な局面ではクラウドの大規模モデルへ処理を引き継ぐハイブリッド構成を採用している。ただし、その際も勝手にデータを送出することはなく、ユーザーへ外部送信の許可を明示的に求める設計となっている。
さらに、端末内での安全なコード実行環境として独自の「SPACEサンドボックス」を内包しており、エージェントが作成したスクリプトやツール操作をOS本体から隔離された状態で実行できる。
これまでエージェント型AIの企業導入における最大の障壁は、財務情報や未公開コードなどの機密情報漏えいリスクと、従量課金による運用コストの高騰であった。RTX搭載PCで270億パラメータ級のモデルが実用速度で動くようになったことで、社外持ち出し禁止のデータを日常的にエージェントへ委託する道が開かれた。
VRAM 24GB以上というハードウェア要件は一般的なビジネスノートPCには高いハードルであるが、ハイエンドクリエイターPCや開発者向けデスクトップ、ワークステーションを中心に導入が先行するとみられる。