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米MicrosoftがWebブラウザ「Microsoft Edge」の開発版(Canaryチャンネル)において、Webサイトやブラウザ拡張機能による端末内蔵AIモデルの利用を切り替える「オンデバイスAI」設定画面の試験導入を進めていることが判明した。WebメディアのWindows Reportが2026年10月22日付で報じた。Web標準化が進む「Prompt API(ブラウザ内蔵の言語モデルにプロンプトを送信する標準仕様)」への対応を視野に入れたもので、ユーザーが端末内の計算資源やプライバシーを自律管理できる枠組みを整備する狙いがある。
新設されたトグル設定は、Edgeの設定画面内「CopilotとAI」ページ最下部(直接アクセス用URLは edge://settings/ai)に配置されている。画面の説明文には、Edge上で実行されるAIモデルを活用して対応機能を強化できることや、機能をオフにした場合は一部の連携機能が利用不能になる可能性がある旨が記されている。
この設定画面内には、MicrosoftのPrompt API公式解説文書へのリンクが設置されている。Prompt APIは、Webサイトや拡張機能がクラウドのサーバーを経由することなく、端末内に組み込まれたSLM(端末上で軽量動作する小規模言語モデル)に対してプロンプトを送信し、文章の要約やテキスト分類、言い換えなどの処理を実行させるための共通API仕様だ。外部通信を伴わないため、レイテンシの削減や通信料の節約、プライバシー保護の面で大きな利点を持つ。
ブラウザ内蔵AIを巡っては、業界標準化団体であるWeb Machine Learning Community Groupが2026年10月16日にPrompt APIの仕様草案を公開したばかりである。Microsoft Edgeに加えてGoogle Chromeでも実験的な実装が進められている。
| 項目 | 今回判明したEdge Canary設定 | 標準仕様「Prompt API」(草案) |
|---|---|---|
| 制御対象 | ブラウザ内蔵AIモデルのオン・オフ切り替え | Webアプリと内蔵言語モデル間の接続インターフェース |
| 目的 | ユーザー主導の端末リソースおよびプライバシー管理 | 外部サーバーを介さない軽量なAI機能のWeb統合 |
| 関連実験API | 言語検出、テキスト翻訳など | テキスト要約、書き換え、分類など |
| 未確認事項 | 具体的にどの機能や拡張が遮断対象となるかは未公表 | 各ブラウザベンダーの実装完了時期と正式勧告日 |
現時点において、設定トグルをオフにした際にどの拡張機能や内部コンポーネントが遮断対象となるのか、詳細な仕様は公式発表されていない。Microsoftは開発者リポジトリを通じて機能範囲や課題に関するフィードバックを募集している段階だ。
ブラウザへのSLM統合は、Webアプリケーション開発者が高額なAPIコストを負担することなく高度な自然言語処理を組み込める変革をもたらす。しかし同時に、利用者のPCスペック(CPU、GPU、メモリ)を消費するため、無制限な実行を許容すると端末の動作遅延やバッテリー消費の原因となる。
今回の設定画面の導入は、ブラウザが勝手に端末リソースを消費するのを防ぎ、利用者がWebサイトごとのAI実行権限を把握・制御するための基礎固めと位置付けられる。位置情報やカメラ・マイクの利用許可と同様に、「端末内AIモデルの実行権限」も利用者の同意に基づくセキュリティモデルへと整備されていく見通しだ。
引用元:TECH+