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米コーネル大学のTapan Parikh(タパン・パリク)教授が率いるAI研究スタジオ「Convovo」は、2026年米中間選挙の候補者選考において主要AIモデルに二者択一の推薦を求めた調査結果を発表した。約500件の選挙区レースを検証したところ、SpaceXAI(xAI)の「Grok 4.7(SpaceXAI・xAIが開発するフロンティアAIモデル)」は回答の92%で共和党候補を推薦した一方、米OpenAIの「GPT-6.1 Sol(OpenAIが開発する高度推論言語モデル)」は97%で民主党候補を推薦し、両者の判断が90%以上のレースで対立することが明らかになった。
一般向けのチャットボットUI(ChatGPTやGrokのWeb/アプリ版)では、「誰に投票すべきか」といった直接的な質問に対して回答を拒絶・中立化する安全策が講じられている。しかし開発者向けAPI経由で「曖昧に濁さず、片方の候補者1名のみを挙げよ」と指示したところ、モデル本来の強い政治的選好が露呈した。
OpenAIの広報担当者はTechCrunchに対し、「ChatGPTは政治的会話を含め客観的であるよう設計されており、本調査は開発者APIに推薦を強制するプロンプトを与えた結果に過ぎず、一般ユーザーの体験を反映したものではない」とコメントしている。
パリク教授らは、なぜこれほど極端な政治的乖離が生じるのか、Web検索の有無と情報ソースの選定パターンを分析した。その結果、両モデルが結論に至るプロセスに根本的な違いがあることが判明した。
| 項目 | Grok 4.7 (SpaceXAI) | GPT-6.1 Sol (OpenAI) |
|---|---|---|
| 推薦比率 | 共和党 92% | 民主党 97% |
| 主な参照ソース | キリスト教保守派ガイド(39%)、Turning Point Action(23%)、X(41%) | Wikipedia、AP通信、Axios、Reddit |
| 重視する検索トピック | 移民、税制、犯罪、エネルギー | 医療保険、中絶の権利 |
| 検索無効時の挙動 (30レース) | 30件中27件で選択を拒否 (3件のみ民主党) | 30件中24件で民主党を選択 (1件共和党、5件拒否) |
| バイアスの主因 | 検索ソースとAPI隠れプロンプト(約1,240トークン) | 事前学習(モデルの重み)への内在 |
調査チームの発見として、GrokのAPIリクエストにはユーザーが指定していない約1,240トークンの不可視プロンプト(隠れ指示)が自動付加されていた。さらに、Web検索を無効化して候補者名のみを与えた追加実験(30レース)では、Grokは判断根拠を失ってほぼ回答を拒否したのに対し、GPT-6.1 Solは検索なしでも依然として80%の確率で民主党候補を選択した。
パリク教授は「GPTは事前学習の重み段階ですでに結論が固まっているのに対し、Grokは参照する検索語句や情報源の選定パターンによって結果が左右されている」と分析している。
Pew Research Centerの調査によれば、選挙情報を得るためにAIチャットボットを利用している米国の成人は全体の約8%にとどまる。しかし、直接「誰に投票すべきか」と尋ねない場合でも、「各候補者の争点に対する評価」や「争点の優先順位」といった一般的な相談において、モデルが内包する暗黙の価値観が回答のトーンや情報提示の偏りとして現れるリスクがある。
中間選挙を目前に控える中、政治的中立性を標榜するAI各社が、学習データや検索アルゴリズム、プロンプト設計を通じてどのように政治的バイアスを制御・開示すべきかという議論が再燃している。
引用元:TechCrunch