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米Google DeepMindの研究者やエンジニアが、米国防総省(ペンタゴン)とのAI軍事契約に抗議し、相次いで同社を辞職していることが明らかになった。問題となっている契約は、国防総省が外部から物理的に遮断された機密ネットワーク上でGoogleの高度なAIモデルを運用することを認める内容である。離職した研究者らは、軍事機密環境にモデルが配備された後、企業側には運用の可視性や拒否権(veto power)が実質的に存在せず、自律兵器や戦争激化へ悪用される歯止めが失われると強く訴えている。
離職したスタッフによると、2026年に入って締結された国防総省との契約は、入社時に想定されていた政府利用の枠組みを大幅に超えているという。システムが軍のエアギャップ(インターネットや外部ネットワークから物理的に隔離された環境)ネットワークへ移行した後は、既存の安全策や人間の監視プロセスが機能しなくなる懸念が指摘されている。
抗議する研究者らが共通して問題視しているのは、契約に含まれる「あらゆる合法的な政府目的(any lawful government purpose)」という包括的文言である。この条項により、モデルが機密領域に引き渡された時点で、Google側は実際の運用を実効的に制御できなくなる。
Google側は公式声明において、従業員が倫理的懸念を報告できる専用チャンネルを設けており報復は禁止されていると説明する。また、大量監視や自律兵器への利用を制限する条件が契約に含まれていると主張している。しかし、現場を離れた研究者らは、機密指定された軍事作戦の中でそうした制限条項を外部から検証・執行することは実質的に不可能であり、書類上の建前に過ぎないと反論している。
この構図は、Googleがイスラエル政府・軍と締結した12億ドル規模のクラウド契約「Project Nimbus(GoogleとAWSがイスラエル政府・軍に提供する12億ドル規模のクラウド契約)」を巡って社内で激しい抗議活動が起き、多数の解雇者を出した騒動と重なる。
国防総省は現在、高度なAI基盤モデルを機密指揮統制ネットワークや情報分析へ統合する動きを急速に強めている。ビッグテックにとって巨額の防衛契約は成長の柱となる一方、最前線で安全研究を担ってきた優秀なAIセーフティ研究者との倫理的亀裂を深める要因となっている。
企業の倫理指針やAI原則が防衛ビジネスの現実を前に形骸化すれば、責任あるAI開発の信頼性が揺らぎかねない。自律兵器や軍事意思決定へのAI導入に対する国際的な規制ルールが定まらない中、現場研究者による抗議辞任の動きは、テック企業が負う社会的責任の境界線を厳しく問い直している。
引用元:mint