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米Google Cloud(Googleのクラウドコンピューティング基盤)は10月22日、マネージドAPI管理サービス「API Gateway」において、リアルタイム通信および生成AIのトークン逐次配信に対応するストリーミング機能のパブリックプレビューを開始した。既存のAPI仕様書(OpenAPI定義等)に修正を加えることなく、SSE(サーバーからクライアントへ逐次データを送信する通信技術)(Server-Sent Events)、WebSockets、gRPCストリーミングなどをゲートウェイ経由で中継できる。APIキー検証やJWT認証といった統制ポリシーを維持したまま、AIアプリケーション向けのリアルタイム配信基盤を構築可能になる。

従来のAPI Gatewayはリクエストとレスポンスが1対1で完結するトランザクション型通信を前提として設計されていた。そのため、生成AIモデルのトークンストリーミングや協調編集を導入する開発者は、ゲートウェイをバイパスしてセキュリティ統制を犠牲にするか、ストリーミングを諦めるかの二者択一を迫られていた。
今回のアップデートにより、API定義を変更することなく、以下のストリーミングプロトコルを透過的にプロキシできるようになった。
ストリーム接続は最長1時間まで維持できる(クライアント側での再接続ロジック実装を推奨)。
| 項目 | 従来のAPI Gateway | ストリーミング対応API Gateway |
|---|---|---|
| 通信モデル | 1リクエスト・1レスポンス(バッファリング) | 逐次トークン配信・全二重ストリーミング |
| 対応プロトコル | 通常のHTTP/REST | SSE、WebSockets、gRPC、Chunked HTTP |
| API仕様書の変更 | — | 不要(既存定義をそのまま利用可能) |
| 適用可能な統制 | APIキー、JWT、Cloud Logging/Monitoring | 同等の認証・認可・監査ログをストリーミングにも適用 |
| ホスト名命名規則 | ランダムハッシュ付き(事前確定不可) | 確定的な命名規則(IaCや設定事前記述に対応) |
ストリーミング機能の導入に伴い、ゲートウェイのデフォルトホスト名が確定的な形式(GATEWAY_ID-PROJECT_NUMBER.REGION.gateway.dev)へと刷新された。従来はランダムハッシュが含まれていたため作成後でなければURLが確定しなかったが、新規則により作成前からTerraform構成やファイアウォール設定にURLを記述できる。
さらに、API Gatewayの「モデルルーティング」機能と組み合わせることで、単一のOpenAI互換エンドポイントを用意し、リクエストに応じてGeminiやClaude、オープンソースモデルへストリーミング応答を振り分ける構成が容易になる。
パブリックプレビュー期間中は、ゲートウェイ作成時に --enable-streaming フラグを指定して新規作成する必要がある。既存ゲートウェイのインプレース変更には対応していない。
また、初期プレビュー時点では以下の機能が未提供となっており、プレビュー期間中に対象を順次拡大する予定である。
なお、ストリーミング接続時のレイテンシメトリクスは、最初の1バイトが届くまでの時間(TTFB)ではなく接続全体の継続時間を表すため、監視グラフの形状変化に留意する必要がある。
大規模言語モデル(LLM)や自律型エージェントの普及に伴い、Webトラフィックは従来のステートレスな短時間通信から、長時間接続を伴う逐次ストリーミングへと構造転換を遂げつつある。API Gatewayがストリーミングを標準サポートしたことで、エンタープライズ企業が直面していた「AIエンドポイントの野良プロキシ化(シャドーAI)」を防ぎ、企業統一のポリシー・監査下でリアルタイムAIアプリを展開できる現実的な基盤が整った。
Google Cloudはより高度なAIポリシー管理を提供する「Apigee」や、エージェント間連携を統制する「Agent Gateway」を展開しており、API Gatewayはその軽量なエントリーポイントとして位置づけられる。各ゲートウェイを用途に応じて組み合わせることで、企業内のエージェントトラフィックを多層防御するアーキテクチャの標準化が進むとみられる。