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NVIDIAはドイツ・ベルリンで開催中のGTC Berlinにて、企業インフラおよびエッジ環境向けに安全なAIエージェントを構築・隔離・監視・強制執行するための「NVIDIA OpenShell Reference Architecture(カーネルレベル隔離とDPU監視を組み合わせたAIエージェントの安全実行基盤)」を発表した。
モデル推論を担う「Vera Rubin」、オーケストレーションを司る「Vera CPU」、そしてインシリコン監視を行う「BlueField-4 DPU」とセキュリティソフトウェア「NVIDIA Sentry」をフルスタックで統合したアーキテクチャであり、同日より提供が開始された。
OpenShell Reference Architectureは、オープンソースのセキュアランタイム「NVIDIA OpenShell」を基盤に、産業規模のハードウェア・ソフトウェアを連携させる設計となっている。
フアンCEOは「企業が数十億のAIエージェントを配備する準備を進めるなか、安全性と制御は計算アーキテクチャそのものに組み込まれなければならない。エージェントはRubinで思考し、Veraで行動し、BlueFieldで統制される」と述べている。
本アーキテクチャは、データセンターだけでなく「RTX Spark」「DGX Spark」「DGX Station」といったデスクトップおよびエッジシステムへも拡張可能である。
オペレーティングシステムとしては、Canonical、Red Hat、SUSEなどのLinux環境に加え、Microsoft WindowsおよびMicrosoft Execution Containers(MXC)をサポートする。さらにAWS、Google Cloud、Microsoft Azureのクラウド基盤にも対応する。
本アーキテクチャの導入に向けて、以下の通り広範なエコシステムが参画している。
| 分野 | 主要パートナー企業 |
|---|---|
| モデル開発元 | Anthropic、Cohere、Google、Meta、OpenAI、Perplexity、SpaceX Super Intelligence |
| セキュリティベンダー | CrowdStrike、Palo Alto Networks、Cisco、Check Point、1Password、Fortinet、Zscaler |
| エンタープライズソフトウェア | SAP(Joule Studio統合)、ServiceNow(ServiceNow ArcおよびAI Passport連携)、IBM、Siemens |
| サーバー製造・クラウド | Dell Technologies、HPE、Lenovo、Supermicro、CoreWeave、Oracle Cloud Infrastructure |
特にServiceNowは、長期実行型エージェント「ServiceNow Arc」とポリシー権限層「AI Passport」をOpenShellおよびSentryと連携させ、不正なエージェントのアクセス権限をハードウェア・ソフトウェア双方で数秒以内に失効できる仕組みを構築している。
日本国内の製造業、金融機関、医療機関など、高いセキュリティと厳格なコンプライアンスが求められる業界において、自律型AIエージェントを社内ネットワークや基幹システムに接続する際のセキュリティ懸念を払拭する基盤として期待される。
ただし、本アーキテクチャをフルに活用するにはBlueField-4 DPUやVera Rubinなどの最新ハードウェアの導入が前提となる。既存のH100やH200環境に対するソフトウェア単体での適用範囲や、国内クラウド事業者(さくらインターネット等)での展開計画、導入コストの詳細は現時点で未公表であり、ハードウェアの調達計画を踏まえた検討が必要となる。
従来のソフトウェアプロンプトによるガードレールだけでは、プロンプトインジェクションや予期せぬ権限行使を完全に防ぐことは困難であった。NVIDIAがDPUのハードウェア層で「境界外アクセスをミリ秒単位で強制停止する」仕組みを標準アーキテクチャとして確立したことは、自律エージェントの本格的な実務投入に向けた安全基準の再定義につながるとみられる。
引用元:NVIDIA Newsroom