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AI開発向けクラウドインフラを提供する米 Modal Labs(サーバーレスAIコンピュート環境を提供するクラウドスタートアップ) は、Accelが主導するシリーズDラウンドにおいて7億5,000万ドルの資金調達を完了したと発表した。評価額は157億5,000万ドルに達し、2026年5月の前回ラウンド評価額から3倍超へと急拡大した。
同社の ARR(年間で定期的に得られる継続収益の指標(Annual Recurring Revenue)) は、5月時点から3倍以上に急増して10億ドルの大台を突破している。今回の調達にはKleiner Perkinsに加え、既存投資家6社が参加した。
同社の売上高のうち、約3分の1を占めるのがコンテナ実行基盤の「Sandboxes」である。モデルの学習環境としてだけでなく、自律型AIエージェントのコード実行環境として利用が急速に拡大している。
| 提供機能・サービス | 技術的特徴と優位性 |
|---|---|
| Sandboxes | 独自スケジューラにより毎秒数万件のコンテナを並列起動。社内試験で100万コンテナの同時実行を実証 |
| Sidecar同居機構 | ハルシネーション(幻覚)検出ツール等の補助コンテナを同一物理サーバ上で同居させ、超低遅延で通信 |
| Secret Injection | エージェント自身に認証情報を開示せず、外部サービスへ安全にログインさせる保護機能 |
| 分散GPUクラスタ | RDMA(CPUを介さずにメモリ間で超高速にデータ転送を行うネットワーク規格) を活用し、シンプルなコードでGPU群を並列起動 |
| Endpoints | 自社モデルやオープンソースアルゴリズムを即座にAPI化して公開できるホステッド推論環境 |
インフラ基盤としては20社以上のクラウドプロバイダーから計算資源を調達して運用しており、特定のクラウドで障害が発生しても他事業者の設備へ瞬時に処理を切り替えられる耐障害性を備える。
AIエージェント開発において、生成されたコードを安全かつミリ秒単位で隔離実行する環境の確保は世界共通の課題である。Modalが提供する超高速コンテナ起動とSecret Injection機能は、自律型エージェントサービスを開発する日本のスタートアップや企業にとっても極めて強力な基盤選択肢となる。
調達資金の一部は、AIの推論能力向上や安全性強化に不可欠な「強化学習(RL)」および「ポストトレーニング(事後学習)」に特化した新機能群の開発に充当される。ただし、日本国内リージョンの新設予定や、国内クラウドとの直接ピアリングに関する具体的なロードマップは現時点で言及されていない。
従来のクラウド(AWSやGCP)が汎用的な仮想マシンやKubernetesを前提としているのに対し、Modalは「AIエージェントの実行」に特化したミリ秒単位のサーバーレス基盤を構築したことで爆発的な成長を遂げた。エージェントが自律的にコードを生成・実行する時代において、コンテナの起動速度とセキュリティ隔離はインフラの最重要要件となる。ARR10億ドル突破という実績は、エージェント特化型インフラがすでに巨大な市場カテゴリとして確立したことを示している。
引用元:SiliconANGLE