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ストックフォト大手の米Getty Images(世界最大手クラスのストックフォトおよび報道写真アーカイブを提供する米国企業)は、2026年10月12日(現地時間)、米連邦破産法第11条(Chapter 11、日本の民事再生法に相当)の適用を数週間以内に申請し、株式を非公開化する計画を発表しました。MidjourneyやStable Diffusionなどの画像生成AIの普及によって素材写真の需要が激減し、業績が悪化したことが引き金となりました。事業は通常どおり継続し、人員削減を行わずに年内の再建完了を目指します。
再建計画では、創業家のゲッティ家および米投資会社Koch Equity Developmentの関連会社が最大5億3,300万ドルを新規出資し、再建後の株式を100%保有して非公開化します。債権者側も金利負担の軽減や返済期限の延長など条件変更に応じたとされています。
Getty Imagesの財務は以前から極めて厳しい状況にありました。2026年6月30日時点での負債総額は約21億ドルに達しており、2022年の再上場以降、株価は約99%下落。10月10日終値時点の時価総額は2,074万ドルまで縮小し、ニューヨーク証券取引所(NYSE)は9月末に上場廃止手続きを開始していました。また、2025年1月に合意していた競合Shutterstockとの約37億ドル規模の経営統合も、英国競争・市場庁(CMA)の規制判断により2026年6月に破談となっていました。
同社が投資家向けに開示した資料によると、素材画像を販売する「iStock」事業の需要落ち込みが顕著である一方、AIによる代替が困難な「報道写真(エディトリアル部門)」は堅調に推移しています。
| 部門 | 現状と見通し | AI影響と方針 |
|---|---|---|
| 素材画像(iStock) | 需要が大幅に低迷 | 生成AIツール普及による代替が進み縮小傾向 |
| 報道写真(エディトリアル) | 2029年までに売上高が3.69億〜4億ドルへ拡大見込み | 現場取材・真正性が求められるため主力事業へシフト |
| 写真アーカイブ | 歴史的価値の高い写真資産を保有 | ライセンス提供や真正コンテンツの価値を維持 |
同社は今後、汎用的なストックフォトの販売から、現場での一次取材に基づく報道写真や独自アーカイブの提供へと経営資源を集中させる方針です。
Getty ImagesのChapter 11申請は、画像生成AIの実用化が既存のクリエイティブ産業やストックコンテンツ業界のビジネスモデルを直撃した象徴的な事例です。テキストプロンプトで高品質なイラストや素材写真が安価に即時生成できる時代において、汎用ストックフォトの経済的価値は急速に減衰しています。今後は「人間にしか撮影できないリアルタイムな報道現場の写真」や「出所が保証された真正アーカイブ」といった、生成AIでは再現できない固有価値をどこまで収益化できるかが、同社再建の鍵を握るとみられます。
引用元:ITmedia NEWS