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米NVIDIA(GPUおよびAI向けフルスタック基盤を提供する世界最大手半導体メーカー)は、買収したAIワークロードおよびGPUオーケストレーション基盤「NVIDIA Run:ai(Kubernetes上でGPUリソースの動的配分とAIジョブ管理を自動化する基盤)」の全機能をオープンソースソフトウェア(OSS)として公開したと発表しました。本リリースは、次世代AIデータセンター構築向け基盤「NVIDIA DSX AI Factory Platform」を拡張するもので、エコシステム全体のパートナーや開発者が自社ソリューションへ迅速に組み込めるオープンな土台を提供します。
NVIDIA Run:aiは、統合スタックとして利用できるだけでなく、以下の4つのモジュラーコンポーネントが個別に切り出され、単体でも導入可能な設計となっています。
また、推論のコールドスタート(モデル読み込み待機時間)を大幅に短縮する「Model Streamer」や、エージェントパイプライン向けオーケストレーター「Grove」など関連OSSとの連携もサポートされています。
オープンソース版のNVIDIA Run:aiは、GitHubのdsx-ai-factoryオーガニゼーションでソースコードが公開されたほか、NVIDIA NGCからコミュニティ製品としてHelmチャート形式で導入できます。商用のエンタープライズサポートは含まれませんが、有償サブスクリプションなしで利用可能です。なお、エンタープライズ向けの商用版サポート提供も従来どおり継続されます。
あわせて、クラウド事業者やプラットフォームベンダーによる対応も発表されました。Crusoe、Mirantis、Nebius、OpenNebula、Rafay、Saturn Cloud、Spectro Cloud、vClusterなどが自社基盤へのRun:ai統合を進めています。
日本国内でもGPUクラウドの構築や社内AIクラスタの運用が進む中、商用製品として広く使われてきたRun:aiのコア機能がOSS化されたインパクトは大きいです。国内のAI開発チームやクラウド事業者は、高額なライセンス費用を投じることなく、Kubernetes環境における高度なGPU共有機能(CUDA 13.4ネイティブ分割)やCNCF標準のKAI Schedulerを自社インフラに柔軟に統合できるようになります。
NVIDIAがRun:aiの主要ソフトウェア資産をCNCFに寄贈しオープンソース化した背景には、GPUハードウェア市場での優位性に加え、クラスタオーケストレーションの標準を自社主導のエコシステムで固める狙いがあります。Kubernetesコミュニティ標準に根ざしたOSSとして広く普及させることで、競合半導体や他社オーケストレーターの台頭を牽制し、大規模AIファクトリーにおけるNVIDIAインフラの採用をさらに強固にする戦略とみられます。
引用元:NVIDIA Technical Blog | ctech