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米Sierraと米Metaは、消費者が利用するパーソナルAIエージェント(利用者に代わって自律的に情報収集や外部サービスの操作を行うソフトウェア)と企業システムとの安全な通信手順を定めるオープン規格「Personal Agent Protocol(愛称:Poppy)」の仕様草案を公開しました。当初予定していたスケジュールを前倒しして公開されたもので、米Visa、米Mastercard、米PayPal、米OpenAIなど各業界の主要企業35社が設計パートナーとして新たに合流しています。
従来のWebサイトでは、企業側が悪質なアクセスを恐れてエージェントを全面的に遮断するか、エージェントがユーザーのログイン情報をそのまま使って全権限でなりすますかの二者択一に陥っていました。Poppy規格ではこの対立を解消するため、企業が所定の場所に設定ファイルを配置し、認証方式や利用可能なAPIの境界を提示します。
エージェント側は自身の身元と「誰の代理として行動しているか」を宣言し、利用者の明示的な承諾を得た範囲(閲覧のみか、変更・購入まで認めるか)でのみ安全に企業のサービスを操作します。Metaの自律型エージェント「Muse」を用いた事前審査の実演では、住宅ローン大手Rocket Companiesのシステムと連携し、ユーザーの信用情報をもとに書類を円滑に自動作成できることが確認されました。
Poppy誕生の直接的な契機となったのは、MetaのMuseが米Amazonのショッピングサイト上で遮断されたトラブルです。Amazonは「エージェントが正体を名乗らず、顧客の認証情報を取得・保存しているリスクがある」と主張してアクセスを遮断しました。Poppy規格はまさにAmazonが求めた「身元の開示と事業者による制御」をルール化したものと言えます。
しかし、今回の設計パートナー35社の中にAmazon、Google、Anthropicの名前は含まれていません。巨大プラットフォーマーを引き込めるかが規格の実効性を左右します。
VisaやMastercardが参加したことで、クレジットカード番号を露出させずにエージェントが支払いを完了できる「エージェントコマース向け決済拡張」の標準化が加速すると見られます。AIが自律的にWebを巡回して購買や予約を代行する時代に向け、セキュリティと利便性を両立する認証基盤の確立が最重要テーマとなっています。
引用元:AI新聞