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エンタープライズAIセキュリティ企業のZenity Labsは、米Amazon Web Services(AWS)が提供する生成AIエージェント実行基盤「Amazon Bedrock AgentCore」において、単一のチャットプロンプトを介して同一AWSアカウント・同一リージョン内の全AIエージェントを完全に掌握できる深刻な脆弱性チェーン「AgentCorruption」を発見したと公表しました。外部公開されたカスタマーサポート窓口のAIエージェントなど、1つのエージェントに侵入されるだけで社内の非公開エージェントや機密データにアクセスされる危険性が浮き彫りになりました。AWSは報告を受けて修正パッチと権限厳格化を実施済みです。

Zenity Labsの研究によると、この攻撃は2つの構造的欠陥が組み合わさることで成立していました。
169.254.169.254)への通信が制限されていませんでした。研究チームがAWSのオープンソースフレームワーク「Strands SDK」で構築したエージェントに対し、平文のプロンプトで同アドレスの取得と外部送信を指示したところ、エージェントは容易に一時的なAWSアクセスキーやセッショントークンを外部へ送信しました。Zenity Labsの技術報告およびメディア報道(The Decoder、TNW)を整理すると、本脆弱性の核心は単なる「プロンプトインジェクション」にとどまらず、クラウド実行基盤の権限設計にあることが分かります。
| 観点 | メディア報道の要点 | Zenity Labs一次報告の技術詳細 |
|---|---|---|
| 攻撃の入り口 | チャット窓口への1回の悪意あるメッセージ | Webツール・シェルツールを持つエージェントに対するSSRF(サーバー側リクエスト偽造) |
| 影響の範囲 | 同一アカウント内の全エージェントを乗っ取り可能 | ECRからのソースコード抽出、会話ログ閲覧、Secrets Manager認証情報窃取、長期記憶改ざん |
| AWSの対策 | メタデータアクセスの制限と権限縮小を実施 | 新規デプロイでのIMDSv2デフォルト化、2026年8月におけるデフォルト実行ロールの縮小改定 |
| 残る推奨事項 | 自動アップデートによる保護 | デフォルトロールに頼らず、開発者が最小権限のカスタムロールを明示適用することを強く推奨 |
Zenity LabsのCTOであるMichael Bargury氏は、「クラウドセキュリティは厳格なセグメンテーションと最小権限の原則に基づくが、AIエージェントは有用性を発揮するために幅広い行動の自由を必要とする」と指摘しています。利便性を優先してプラットフォーム側の初期権限を緩く設定すると、1つの公開接点が侵害された際にシステム全体の境界が崩壊するリスクを今回の事例は示しました。
AWSはIMDSv2の強制や他エージェント呼び出し権限の剥奪などの対策を完了していますが、クラウド上で自律型AIエージェントを本番運用する企業にとっては、プラットフォーム任せにせず各エージェントに必要最小限の権限(Least Privilege)を個別に割り当てる設計規律の徹底が不可欠となります。
引用元:Zenity Labs | The Decoder | TNW | Security

Zenity Labs
Security Research | AgentCorruption: Initial IMDS Access
How a single prompt to a public-facing AgentCore agent exposed the instance metadata endpoint, the agent's cloud identity, and its container image: the foothold for everything that follows in this series.
https://labs.zenity.io/post/agentcorruption-initial-imds-access

The Decoder
A single prompt was enough to hijack every AI agent in an AWS account, Zenity researchers found
Zenity Labs researchers say a single publicly accessible AI agent on Amazon's Bedrock AgentCore was enough to take over every AgentCore agent in the same AWS account and region. The attack exploited an internal AWS interface for temporary cloud credentials that agents could reach without restriction. AWS has since patched the issue and significantly tightened the agents' default permissions.
https://the-decoder.com/a-single-prompt-was-enough-to-hijack-every-ai-agent-in-an-aws-account-zenity-researchers-found

TNW | Security
Zenity says one prompt took over every AgentCore agent in an account
AWS says Zenity’s AgentCore research “inaccurately paints expected and documented behavior as a vulnerability”
https://thenextweb.com/news/aws-agentcore-zenity-agentcorruption-one-prompt-agents