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NVIDIAは2026年10月8日、米国の科学研究および超知能(Super Intelligence)研究開発能力を強化するため、今後5年間で10億ドル(約1,500億円)を投じるコミットメントを発表しました。量子コンピューティング、ヘルスケア、エネルギー安全保障など、国家的な重要分野における研究者を支援します。
この発表は、ワシントンD.C.で開催されたイベント「Science: A New Golden Age」で行われました。同イベントには米国政府関係者、産業界のリーダー、科学コミュニティの代表者が集まり、科学的探求を加速するための官民連携について議論が交わされました。
米国科学技術政策局(OSTP)は、トランプ大統領が主導する国家イニシアチブ「Genesis Mission(ジェネシス・ミッション)」の拡張を宣言し、NVIDIAはその主要な業界パートナーとして位置付けられています。
NVIDIA創業者兼CEOのジェンスン・フアン(Jensen Huang)氏は以下のようにコメントを寄せています。
「トランプ大統領のGenesis Missionは、アメリカの科学的発見における新たな黄金時代を切り拓いています。10億ドルの投資を通じ、NVIDIAは高度なスーパーインテリジェンスをアメリカの科学者たちの手に届け、医療・エネルギー・新素材におけるブレークスルーを加速させます。これこそが、科学のリーダーシップを産業のリーダーシップへと転換し、イノベーションを世代を超えた雇用と機会へと結びつける方法です」
発表された10億ドルの支援計画は、以下の3本柱を中心に展開されます。
あわせてNVIDIAは、Genesis Mission Phase 2で採択された量子コンピューティング、核融合、加速器設計、マイクロエレクトロニクスなどのプロジェクトに協力することも発表しました。同社は20年以上にわたり米国立研究所と協業関係にあり、米国エネルギー省(DOE)傘下のアルゴンヌ国立研究所において科学研究向け最大級のAIスーパーコンピュータを構築中であるほか、ロスアラモス国立研究所とアルゴンヌ国立研究所にまたがる7つの新規システムの支援を進めています。
| 評価軸 | 従来の商用GPU提供 | Genesis Missionにおける10億ドル投資 |
|---|---|---|
| 対象領域 | 生成AI企業・民生クラウド向けが中心 | 量子計算・核融合・エネルギー安全保障・新素材 |
| 連携体制 | 企業間のハードウェア販売契約 | 米国科学技術政策局(OSTP)・DOE・国立研究所との官民連合 |
| 支援形態 | 機器納入 | 5年間の計算資源提供、R&D共同研究、クラウド基盤整備の包括支援 |
今回の発表では、10億ドルという総額のうち「現物のGPU計算リソース・クラウドアライアンス枠」と「純粋な研究助成資金」の具体的な配分比率は開示されていません。また、米国内の研究機関に限定した支援枠組みであるため、同盟国の研究機関や国際共同研究プロジェクトがどの程度この基盤を活用できるかについては今後の発表を待つ必要があります。
今回のコミットメントは、単なる企業の設備投資にとどまらず、先端AIコンピューティングを原子物理や創薬、量子科学といった基盤科学へ垂直統合しようとする米国の国家戦略を色濃く反映しています。AIの覇権争いが基盤モデルの開発競争から「科学的発見そのものを加速する国家競争力の源泉」へとシフトする中、NVIDIAが官民連携のハブとしてその存在感をさらに強めています。
引用元:NVIDIA Newsroom