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米Microsoft(WindowsやCopilotなどを提供する米大手IT企業)傘下のシンクタンク「AI Economy Institute」は2026年9月28日、世界各国の生成AI普及状況を調査した『グローバルAI拡散レポート: 2026年第2四半期の動向と知見』を発表しました。世界の生産年齢人口における生成AI利用率は18.8%に達し、日本は前四半期比で約10%増(22.5%から24.7%へ上昇)となり、主要経済国の中で最も高い相対成長率を記録しました。

本報告書は、集計・非識別化されたマイクロソフトのテレメトリデータに基づき、15〜64歳の生産年齢人口における生成AIツールの利用比率を算出したものです。OSシェアや通信インフラの普及度、人口動態を調整変数として反映しています。
2026年6月時点における主要国・地域の利用率は以下の通りです。
| 国・地域 | 生成AI利用率 | 前四半期比増減 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| アラブ首長国連邦(UAE) | 73.3% | 高水準維持 | 世界トップの普及率 |
| シンガポール | 64.3% | 高水準維持 | 世界第2位 |
| アイルランド | 49.9% | 微増 | 欧州首位クラス |
| フランス | 49.6% | 微増 | 欧州主要国で先行 |
| 韓国 | 40.6% | +3.5ポイント | 世界12位(過去1年で約15ポイント増) |
| サウジアラビア | 順位25位 | +5ランク | 最も順位を伸ばした国 |
| 日本 | 24.7% | +2.2ポイント | 相対増加率が主要国で最大(約10%増) |
| 世界平均 | 18.8% | +1.0ポイント | 前四半期の17.8%から着実に拡大 |
調査結果によると、先進国中心の「グローバル・ノース(利用率28.8%)」と新興国中心の「グローバル・サウス(利用率16.2%)」の間で利用率の格差が12.6ポイントに拡大しました。
一方で、利用用途には明確な質的差異が見られます。新興国では「自己主導型学習」や「学業支援」を目的とする対話比率が世界平均より約3割高く、テキスト・画像・プログラムコードの自作・編集が主な使途となっています。対照的に先進国では、検索や購買活動(ショッピング)など消費者向け利便性の追求が中心となっています。
レポートはまた、開発者向けプラットフォーム「OpenRouter」のデータ分析を通じて、オープンウェイト(学習済みパラメータを公開し自前の環境で動作可能なAIモデル)モデルの台頭を報告しています。トークン消費量に占めるオープンウェイトモデルの比率は75%に達しており、商用閉鎖型モデルとの実用性能差の縮小とコスト削減要求を背景に、実ビジネス環境での採用が急拡大しています。
日本のビジネス現場および個人ユーザーにとって、今回の調査結果は以下の示唆を持ちます。
編集部注: 生成AIの導入フェーズは、初期の物珍しさによる試用から、日常業務や教育基盤に組み込まれる定着段階へと移行しています。マイクロソフトのデータが示す通り、新興国が学習やスキル獲得のための跳躍台(リープフロッグ)としてAIを活用する一方、日本を含む先進国では既存の業務フロー改善や生産性向上への適用が焦点となっています。今後はインフラ格差やローカル言語対応の有無が、国家間の経済格差に直結する懸念もあり、包括的なAIアクセス基盤の整備が国際的な課題となる見通しです。