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エンタープライズ向けAI開発企業の米Cohereは、社内データを活用した検索やRAG(検索で得た情報を生成AIに組み込む手法)、自律型エージェント向けの検索基盤「Compass」について、マネージドSaaS版となる「Compass Cloud」のプライベートベータ提供を開始したと発表しました。従来提供してきた自社エージェント「North」の検索コアや規制産業向けセルフホスト版に加え、インフラ運用の手間を削減したい開発チーム向けにフルマネージドの検索基盤を開放します。

Compass Cloudは、データソース接続から検索実行、アクセス権限の統制までをワンストップで担うフルスタックの検索基盤です。具体的には以下のアーキテクチャで構成されています。
さらに、エージェント環境との連携に向けてオープン標準「MCP(Model Context Protocol。AIエージェントと外部ツールを標準接続する規約)」サーバーを標準提供し、エージェントが自律的に検索ツールを呼び出せる設計となっています。

Cohereが公開した投資銀行・ヘッジファンド向けの実践的金融ベンチマーク「High Finance」の検証結果によると、検索精度指標(nDCG@10)において、Azure Searchのスコア64.8に対し、Compassは81.1を達成し、約14〜16ポイントの大幅な精度向上を記録しました。この差は、生成AIへ渡すコンテキストの無駄なトークン消費を抑え、回答品質と推論コストの双方に直接寄与するとされています。
編集部注: 企業における生成AIの本格導入において、RAGの成否を分ける最大の要因は「検索精度の低さ」と「アクセス権限の管理漏れ」です。これまで多くの開発チームがベクトルDB、リランカー、権限管理ミドルウェアをつぎはぎして自作運用していましたが、Compass CloudのようにMCP対応とハイブリッド検索・権限統制をワンパッケージにしたSaaSが登場したことで、社内検索基盤の構築期間が大幅に短縮されるとみられます。
引用元:Cohere