AI関連の最新ニュースをピックアップ
米Metaは、カメラを搭載した同社のスマートグラス製品(Ray-Ban Metaスマートグラスなど)において、AI機能の利用中に収集される視覚データについて、ユーザーがAIモデルの学習利用を拒否(オプトアウト)できる新しいプライバシー設定を追加しました。同社の広報担当者Dina El-Kassaby氏が米メディアBusiness Insiderに対して変更の事実を確認しました(Engadgetが第一報)。
Metaの説明によると、ユーザーはMeta AIアプリを開き、グラス設定から「Experiences」配下の「Meta AI」項目に進み、「Store visual data from AI experiences(AI体験からの視覚データ保存)」をオフにすることで、学習目的でのデータ保存を停止できます。
同社はこれまで、スマートグラスで通常撮影された写真や動画(カメラロール内)は非公開でありAI学習には使用されないと説明してきました。しかし、スマートグラスに向かって質問するなどのマルチモーダルAI機能を利用した際にカメラが捉えた視覚情報については、音声対話データとともにモデル改善や音声認識システムのトレーニングに利用できる規約となっていました。
今回の設定追加の背景には、欧州メディア等で報じられたケニアのデータアノテーターによる映像閲覧問題など、日常的に装着されるスマートグラスが個人のプライベートな瞬間までAI学習に利用されることに対する世界的なプライバシー懸念の高まりがあります。
日本の読者にとっても、スマートグラスなどのウェアラブル端末は外出時だけでなくオフィスや家庭内でも装着される可能性が高く、意図しない第三者やプライベート環境の映像が学習元に組み込まれるリスクに対する自己防衛策として本設定は重要です。
ただし未確認事項として、このオプトアウトを有効にした場合に、リアルタイムの画像認識やマルチモーダル応答の精度・処理速度にどのような機能制限やトレードオフが生じるかについての技術的詳細は現時点で明示されていません。
編集部注: Ray-Banの親会社であるEssilorLuxotticaとの提携により、Metaのスマートグラスは前年に700万台以上を販売するなどハードウェアとしての普及期に入っています。しかし、ウェアラブルAIが物理空間に常時溶け込むにつれ、個人のプライバシー保護とAIモデルの学習データ収集のバランスは法規制と世論の双方から厳しい監視に晒されています。Metaがオプトアウト設定を明示的に用意したことは、ウェアラブルAI市場におけるプライバシー配慮の最低基準を定義する一歩とみられます。
引用元:Business Insider