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米AIスタートアップのAnthropic(アンスロピック)は、コンテンツ配信およびクラウドサービス大手の米Akamai Technologies(コンテンツ配信ネットワーク(CDN)やクラウドインフラを提供する米IT大手)との間で、7年間にわたり総額116億米ドル(約1兆7,000億円)規模の計算資源供給契約を締結しました。生成AIアシスタント「Claude(Anthropicが開発するAIアシスタント)」に対する世界的な需要拡大を支えるため、データセンターインフラの急速な拡張を進めます。

台北時報(ブルームバーグ配信電)によると、両社が今年初めに合意した18億ドル規模の既存契約を大幅に拡大する形で今回の長期契約が結ばれました。
本契約に基づき、Akamaiはデータセンター内のCPU(コンピュータ全体の制御や汎用的な演算処理を行う中央演算処理装置)(中央処理装置)へのアクセスをAnthropicに供給します。AIサービスのバックエンドではGPUによる推論処理だけでなく、大量の汎用計算やデータ前処理を支えるCPUリソースの需要が再燃しています。
さらに、AkamaiはAnthropicに対し、普通株式770万株(Akamai普通株の約2%相当)へ転換可能な1株111.33ドルのシリーズB優先株を購入できる新株予約権(ワラント)を発行しました。このワラントの一部は2027年後半に予定される計算供給の開始と同時に権利が確定し、残りは7年間の契約期間にわたって段階的に付与されます。
Akamaiの最高経営責任者(CEO)であるトム・レイトン(Tom Leighton)氏は、本契約を履行するための設備投資額が約55億ドルに達すると説明しました。これはAkamaiが前年1年間に投じた資本的支出の6倍以上に相当し、大半が2027年にサーバーや半導体、ネットワーク機器などのハードウェアへ投じられます。
本契約は、近年のAI業界におけるインフラ調達において以下の特徴と課題を示しています。
| 項目 | 契約内容と動向 | 市場での懸念・留意点 |
|---|---|---|
| 契約規模 | 7年間で総額116億ドル(Akamai史上最大規模) | Akamaiの設備投資(約55億ドル)の大幅拡大に伴う財務負担 |
| 株式連携(ワラント) | 普通株の約2%に相当する770万株分の購入権を付与 | クラウド事業者と顧客間で出資し合う「循環型取引」への警戒感 |
| 収益予測 | 2027年に1.5億〜3億ドル、2028年までに年換算約17億ドル | AI需要の持続性に収益が大きく依存するボラティリティ |
| 調達先の分散 | GoogleやSpaceXに続き、Akamaiからも資源を確保 | GPU不足に加えてCPUやデータセンター電力の確保競争が激化 |
ウォール街の一部投資家からは、クラウドやハードウェア企業が顧客企業と相互に出資や発注を行い合う「循環型AI取引」について、実際のAI需要の実態を不透明にする恐れがあるとの指摘も出ています。これに対しレイトンCEOは「顧客とのクラウド契約でこのようなワラントに応じたのは初めてだが、両社の関係を強固にする合理的な判断だ」と説明しています。
編集部注: コーディング支援や業務自動化ツールとしてClaudeの企業導入が急激に加速した結果、Anthropicはインフラキャパシティの不足という成長痛に直面しています。同社はAlphabet(Google)やイーロン・マスク氏のSpaceXなど、あらゆる方面から計算資源を買い集める調達攻勢に出ており、今回のAkamaiとの超大型契約もその布石です。
注目すべきは、AIインフラ競争の主役が「GPU」だけでなく「データセンター全体の汎用CPUやネットワーク網」にまで波及している点です。Akamaiのような分散エッジ・クラウド事業者が巨額の設備投資を敢行してAI基盤プロバイダへと舵を切ったことは、AIインフラのサプライチェーンがハイパースケーラー(AWS、Azure、GCP)以外の通信・エッジ事業者へも広がっている動向を明確に示しています。
引用元:台北時報