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カナダ大手金融機関のTDバンク・グループ(TD Bank Group)は、エンタープライズ向け大規模言語モデルを手がけるカナダのAI企業Cohere(企業向けの大規模言語モデルや検索基盤を提供するAIスタートアップ)との戦略的提携を発表しました。今後3年間で最大2,500万ドルの初期投資を実施し、銀行業務における生成AIの導入と活用を加速させます。
発表によると、提携の中心となるのはTDバンクが2018年に買収したトロント拠点のAI開発企業「Layer 6」です。Cohereのチームがトロントの著名なイノベーション拠点であるMaRS Discovery Districtに入居し、Layer 6の技術者と物理的に同じ拠点で共同開発を進めます。 協業で重点が置かれる分野は以下の通りです。
金融機関のAI導入では、単に外部のクラウドAPIを契約して利用する方式と、社内データを外に出さず内製開発する方式の二者択一になりがちです。しかし今回のTDバンクのアプローチは、過去に買収した高度AIエンジニア集団(Layer 6)のドメイン知識・内部データアクセス権限と、最先端フロンティアモデルを開発するCohereの基盤技術を組み合わせる「ハイブリッド共創」を選択した点が特徴的です。
日本のメガバンク各行も業務効率化やコールセンター支援に向けて生成AI導入を急速に進めています。ただし、金融特有の厳格な機密性・コンプライアンス要件を満たしながら基盤モデルの性能を最大限に引き出すには、自社の業務を深く理解した内製エンジニアとモデル開発元との緊密な連携が不可欠です。カナダのように自国のAIハブ(MaRS)を活用した産学・スタートアップ連携は、日本の金融DX推進体制の設計においても参考となります。
一般消費者向けチャットサービスとは異なり、金融をはじめとする規制産業ではデータプライバシー、モデルの再現性、オンプレミスや専用クラウドでの運用可能性が極めて重視されます。Cohereは創業以来、企業向けの高セキュリティな検索拡張生成(RAG(外部の検索システムから最新情報を取得して回答を生成する仕組み))や独自データチューニングに注力してきました。今回の大型提携は、機密性の高いエンタープライズ市場におけるCohereの競争力の強さを改めて示すものといえます。 引用元:BNN Bloomberg