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世界保健機関(WHO)は2026年9月21日、人工知能(AI)を活用した医療・健康分野の研究に関する倫理審査と監督の枠組みを示した新報告書「Artificial Intelligence-related Health Research: Ethics Review and Oversight」をオンライン会合で公表した。臨床研究現場へのAI導入が急速に進むなか、研究者、倫理審査委員会、規制当局、資金提供者、政策立案者が遵守すべき実践的な推奨事項を提示し、公衆の信頼維持と倫理的ガバナンスの確立を促す。
本報告書は、AIを用いた医療研究における倫理的課題を多角的に分析し、以下の4つの主要論点を整理している。
日本国内でも医療画像診断や創薬スクリーニングにおける生成AIの活用が急速に進んでいるが、研究倫理審査の現場ではアルゴリズムの再現性や個人情報保護の取り扱いを巡り判断基準が統一されていない課題があった。WHOが国際基準となる監督指針を体系化したことで、国内の大学医学部や製薬企業、AI医療機器ベンダーにおける治験プロトコル作成および倫理審査基準の改定に影響を与える可能性がある。
WHOによる本ガイダンスは国際的な推奨規範(ソフトロー)であり、各国における法的な強制力を持つものではない。各国政府や規制当局(日本の厚生労働省や医薬品医療機器総合機構など)が本報告書の提言を国内法令や審査ガイドラインへどのように反映させるかは現時点で未定となっている。
ヘルスケア領域におけるAI応用は診断効率の飛躍的向上をもたらす一方、モデルの幻覚(ハルシネーション)やバイアスが人命に直結する極めて高リスクな応用分野である。WHOが技術開発の初期段階(研究・治験段階)に焦点を当てた倫理指針を打ち出したことは、事後的な法規制だけでなく、研究設計の源流から安全性を組み込む「デザインによる倫理」の定着を促す重要な契機といえる。
引用元:who.int