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米国のサイバーセキュリティ企業Mind Security(AI時代に特化したデータ漏洩防止(DLP)ソリューションを提供する米スタートアップ)は、Crosspoint Capital Partnersが主導するシリーズBラウンドにおいて7,200万ドル(約108億円)の資金調達を実施したと発表しました。シードラウンドおよびシリーズAを含めた累計調達額は1億1,200万ドルに達し、急速に普及するAIツールや自律型AIエージェント経由の機密データ流出を防ぐDLP(Data Loss Prevention:企業内の機密情報や個人情報の外部漏洩を監視・遮断する仕組み)体制を強化します。
SiliconANGLEの報道によると、本ラウンドには主導のCrosspoint Capital Partnersに加え、既存投資家であるYL VenturesやPaladin Capital Groupが追加出資しました。
Mind SecurityはSaaSアプリケーション、従業員のエンドポイント端末、メールシステムなどに散在する機密データを常時スキャンし、コンテンツの内容と利用コンテキスト(文脈)の両面からリスクを自動分類します。危険なデータ持ち出し操作を即座にブロックするほか、違反ポリシーを説明する警告プロンプトをユーザーへ表示する機能を備えています。
同社によると、過去1年間で売上高は17倍以上、顧客数は8倍に拡大し、数十万台のエンドポイントでソフトウェアが稼働しています。ロサンゼルス小児病院では職員端末上のAIツールに保護対象保健情報(PHI)が入力されるのを防ぐ目的で導入されているほか、ナショナルジオグラフィック協会でも機密文書の自動ラベリングや「社内データとAIエージェントの相互作用の可視化」に活用されています。
さらに同社は、審査済み企業向けにAIデュアルユース制限を緩和するAnthropicの「Cyber Verification Program」にデータセキュリティ企業として初めて採択されたほか、AI管理システムの国際規格「ISO/IEC 42001」の認証も取得しています。
企業におけるAI利用拡大に伴い、従来のDLP製品とMind Securityのアプローチの違いを整理します。
| 比較項目 | 従来のレガシーDLP製品 | Mind Security(AI特化型DLP) |
|---|---|---|
| 想定される作業ペース | 人間が主導する予測可能で緩やかな業務フロー | 自律AIエージェントが人間不在で高速にデータを読み取り・共有する環境 |
| 分類・検知手法 | 事前定義されたキーワードや正規表現パターン | コンテンツとコンテキスト(前後の文脈・利用意図)を組み合わせた動的判定 |
| 運用の自動化度 | セキュリティ担当者による手動ポリシー設計・調査 | 自律型「AI DLP Agents」が分類器作成・ポリシー立案・インシデント調査を自動遂行 |
| エージェント対応 | エージェント間の自律的データ授受の検知が困難 | Model Context Protocol(MCP)インターフェース経由でAIとの対話や動作を監視 |
同社の調査レポートによると、企業の65%が「自社のAIシステムに供給されるデータに対する統制力に確信が持てない」と回答しています。
一方で、Mind Securityの具体的な料金体系や導入規模別の最小契約金額は一般公開されておらず、大企業向けの個別見積もり・チャネルパートナー経由の販売が中心となっています。また、オンプレミス環境や完全閉域網におけるエージェント監視の対応詳細については個別問い合わせが必要です。
編集部注: これまで企業のDLPは「従業員がUSBメモリや私用クラウドにファイルをコピーする行為」を阻止することに主眼が置かれていました。しかし現在では、従業員が日常業務で生成AIに機密コードや顧客情報をプロンプトとして送信したり、社内エージェントが複数のデータリポジトリを自律横断したりする「AI主導のデータ流通」が標準となりつつあります。Mind Securityが巨額調達に成功した背景には、従来の境界防御やルールベースDLPが破綻する中で、「AIスピードで移動するデータをAI自身で監視・保護する」次世代セキュリティ基盤への需要が急激に高まっている現実があります。
引用元:SiliconANGLE