AI関連の最新ニュースをピックアップ
中国の周辺機器大手Ugreen(緑聯科技)は、アリババクラウド(Alibaba Cloud)の大規模言語モデル「Qwen(通義千問)」を統合した家庭用AI NAS(ネットワーク接続ストレージ)端末を発表しました。これにより、従来のデータ保存用途にとどまらず、家庭内の個人データを安全に理解・処理するプライベートなパーソナルコンピューティングハブへの進化を図ります。
発表された新端末は、QwenモデルによるローカルAI推論機能を備えており、端末内に保存された写真や文書などのデータを外部クラウドに送信することなくローカル環境で直接解析できます。複雑な推論や高度な処理が必要な場合には、ユーザーの選択によりクラウド版AIモデルへの切り替えも可能なハイブリッド構成を採用しています。
Ugreenの創業者兼CEOである張清森(Zhang Qingsen)氏は、同社のローカルAI機能をNAS単体にとどめず、ロボット掃除機や3Dプリンターなどのスマート家電と連携させる構想を明らかにしました。各家電が個別に高価なAIチップを搭載する代わりに、AI NASが中央の計算・ストレージハブとしてリソースをオンデマンドで分配することで、家庭全体のスマート化コストを低減できるとしています。
Ugreenが発表した直近の財務報告によると、同社のスマートストレージ事業の売上高は前年同期比86%増の7億7000万人民元(約160億円)に達し、同社の全事業部門の中で最も高い成長率を記録しています。モバイルバッテリーやケーブル製品から高付加価値なAIハードウェアへの多角化が急速に進んでいます。
市場調査会社QYResearchのデータによれば、世界のAI NAS市場規模は2024年の約990万ドルから2032年には1億5500万ドルへと年平均49%で成長すると予測されています。家庭内データのプライバシー保護ニーズの高まりを背景に、エッジAIの重要性が増しています。
今回の製品展開は、オープンソースLLMとして評価を高めるアリババのQwenにとっても、エッジデバイスや民生用ハードウェアへの組み込みを拡大する重要な足がかりとなります。一方で、一般消費者が家庭内AI処理のために専用NASハードウェアへ投資するだけの明確な実用性を実感できるかが、普及の鍵を握るとみられます。
引用元:yicaiglobal.com