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米OpenAIは、米連邦政府の調達統括機関である米連邦調達庁(GSA(米国連邦調達庁。米政府機関の物資・IT調達を一元管理する独立機関))との間で、公的機関を対象とする包括的な複数年協定を締結したと発表した。本協定に基づき、通常ユーザーあたり月額15ドルを課しているライセンス料を0ドル(無償)とし、従量課金の利用料も一律50%割引で提供する。これまでの連邦政府機関向け提供枠組みを大幅に拡大し、全米の州政府、地方自治体、先住民部族政府に所属する合計約2,300万人の公務員が対象となる。
今回の発表では、重要インフラや緊急対応を担う公的機関のセキュリティ担当者向け支援策も強化された。OpenAIが提供する高度防護プログラム「Daybreak Blue(公的機関のサイバー防衛担当者向け高度AI支援プログラム)」について、認証を受けたすべての政府機関へ商用価格の50%割引で提供し、実用化に向けた研修やトレーニング体制を拡大する。さらに、高度な脆弱性調査やレッドチーム演習を目的とした「Daybreak Red」へのアクセス申請も受け付ける。同社は先週、最前線のサイバー防衛従事者支援に10億ドルを拠出する「Daybreak for Frontline Defenders」構想を公表しており、本件はその具体化の一環となる。
OpenAIのツールはすでに100万人以上の政府職員に利用されており、公式発表では以下の業務改善事例が報告されている。
本協定により、政府機関におけるAI導入のハードルは劇的に引き下げられた。従来の単年度契約や個別調達と比較した主な変更点は以下の通りである。
| 項目 | 従来の提供枠組み | 本協定(OneGov 2.0) |
|---|---|---|
| 対象組織 | 連邦政府機関の一部(約100万人) | 連邦・州・地方・部族政府(約2,300万人規模) |
| ライセンス料 | 通常1ユーザーあたり月額15ドル | 0ドル(無償化・最低利用人数の下限なし) |
| 従量利用料 | 標準価格 | 一律50%割引 |
| 有効期間 | 単年度または短期更新 | 2026年10月1日〜2028年12月31日(27カ月間) |
| 利用可能基盤 | 既存ChatGPT Enterprise | GPT-6 Astra(OpenAIの次世代高度推論AIモデル)を含む最新モデル |
| データ保護 | 業務データのモデル学習不使用を明記 | ChatGPT Enterpriseの保護基準を全機関に適用 |
| 防衛支援 | 個別申請ベース | Daybreak Blueを半額提供+組織的研修支援 |
利用組織の入力データや出力結果がOpenAIのモデル学習に利用されることはなく、行政の機密情報や個人情報の保護要件にも配慮された契約形態となっている。
本協定の締結は、OpenAIが米国の公共部門において圧倒的な市場シェアを固める戦略的な布石と評価できる。ライセンス料を完全に無償化し、利用料も半額に抑えることで、予算制約の厳しい地方自治体や教育・公共機関へのChatGPT浸透が一気に加速するとみられる。
27カ月間という長期にわたる固定枠組みが提供されることで、各行政機関は短期的なコスト変動を気にせず、業務システムの刷新や自動化ワークフローの構築に踏み切ることが可能となる。他方、AnthropicやGoogle、Microsoftなど競合するAI事業者にとっても、米政府調達における価格設定やセキュリティ要件の新たな基準として意識せざるを得ない展開となった。
引用元:OpenAI