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中国・杭州を拠点とするAI新興企業DeepSeek(低コストで高性能なオープンウェイトモデルを開発する中国のAI新興企業)は、急増するユーザー需要と計算負荷の高いAIエージェント(自律的に目標を分解して外部ツールやモデルを連続実行するAIシステム)の普及によるシステム逼迫に対応するため、「前例のない」規模となる約150名のシニアバックエンドエンジニアを採用する方針を明らかにした。現行のインフラがシステムの限界に達しつつあることから、基盤の全面的な刷新と再構築に踏み切る。
元クオンツトレーディングの専門家で、2026年3月にDeepSeekへ参画しHarnessチームを率いる崔天意(Cui Tianyi)氏はソーシャルメディアへの投稿で、データ量・サーバー台数・学習ワークロード・アクティブユーザー数の急増を背景として挙げた。崔氏は「計算処理において、規模が拡大するだけで複雑性が爆発的に増大する」と指摘し、新たな技術方針を支えるためにインフラの根本からの改修・保守・再設計が不可欠であると説明している。
募集される150名のポジションは、主に以下の2つの技術領域に集中している。
今回の採用拡大は、AI利用の形態が従来の対話型チャットボットから自律型エージェントへと移行したことによる計算負荷の構造変化を浮き彫りにしている。
単一の質問に対して1往復の出力を返すチャットボットと異なり、AIエージェントは1つのタスクを遂行するためにモデルの連続呼び出しや外部ツールの実行、隔離されたサンドボックス環境の確保を必要とする。このため、サーバー・ネットワーク・ソフトウェアの各層に巨額の設備投資が不可欠となり、インフラの最適化がサービス継続性の生命線となっている。
DeepSeekは2026年6月にも「全事業部門の規模を少なくとも倍増させる」計画を発表し、33の職種で採用を実施していた。さらに、直近では国内競合との価格競争の中でAPI提供価格の引き上げを実施したほか、上海の科創板(Star Market)への上場を見据え、企業評価額約5000億元(約745億ドル)規模の資金調達ラウンド完了が間近であると報じられている。
一連の動きは、同社がオープンウェイトモデルの「研究主導の破壊者」から、エンタープライズ向けの商用サービスを安定供給する「大規模プラットフォーム企業」へと成熟しつつあることを示している。自社インフラの徹底した低コスト化と最適化能力を高められるかが、今後の長期の成長を左右するとみられる。