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小型PCメーカーのACEMAGICは9月4日(現地時間)、ドイツで開催中の家電見本市「IFA 2026」において、米AMDの最新プロセッサ「Ryzen AI Max+ PRO 495」を搭載した小型AIワークステーション「F9A」を発表した。容積約2リットルのコンパクトなデスクトップ筐体ながら、最大192GBの広帯域ユニファイドメモリを搭載し、巨大な大規模言語モデル(LLM)のローカル推論を実現する。発売時期および価格は現時点で未定となっている。
F9Aの本体サイズは約158.5(幅)×158.5(奥行き)×81.5(高さ)mmで、机上に省スペースで設置できる。最上位モデルに採用されたRyzen AI Max+ PRO 495は、16コア32スレッドのCPUと統合型Radeon 8065Sグラフィックスを内蔵し、最大5.2GHzのクロック周波数で駆動する。システム全体のAI処理性能は最大131 TOPS(1秒あたり131兆回の演算)に達する。
最大の特徴は、最大192GBまで拡張可能な高速LPDDR5X-8533ユニファイドメモリの採用である。CPU、GPU、NPUが同一の広大なメモリ空間を共有することで、グラフィックスカードのVRAM容量制限を回避し、膨大なパラメータを必要とするAI処理をスムーズに実行できる。同社によると、数千億パラメータクラスのモデルである「DeepSeek V4 Flash 284B」のローカル環境での推論動作に成功したという。
拡張性においても、USB4ポート2基をはじめ、デュアル2.5GbE有線LAN、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4、HDMI 2.1、DisplayPort 2.1を装備する。さらに外部GPUなどの拡張を可能にするPCIe 4.0 x4ベースのOCuLinkポートや、最大4TBのSSDに対応するM.2 2280スロットも備える。
従来の小型デスクトップPCは、メモリ容量や熱設計の制約から数十億〜数十億パラメータ(数B〜数十B)規模の軽量モデル実行が限界であった。F9Aは192GBという大容量ユニファイドメモリによって、これまで高価なマルチGPUサーバーでしか動作しなかった2,840億パラメータ(284B)規模のDeepSeekモデルを単体で動かせる点が画期的である。
一方で、発売時期や販売想定価格、高負荷時における冷却ファンの騒音レベルやサーマルスロットリングの有無、日本国内での正規販売体制などについては未公表であり、今後の製品版展開が注目される。
クラウドAPIの利用コストや機密データ保護の観点から、オンプレミスや個人の机上で動作する高性能ローカルAI環境の需要が急増している。F9Aのような超大容量メモリ搭載の省スペース機が登場することで、最先端LLMのファインチューニングやエージェント開発のハードルが大幅に下がるとみられる。
引用元:ITmedia PC USER