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米ニューヨーク市のゾーラン・マムダニ市長とニューヨーク市教育局のカマル・サミュエルズ教育長は2026年9月2日(現地時間)、同市内の公立学校において2歳児から8年生(日本の中学2年生相当、13〜14歳)までの児童・生徒を対象に、生成AI機能および生徒向けAIチャットボットの利用を2026〜2027学年度の1年間にわたり一時停止(モラトリアム)すると発表した。全米の教育現場において最も広範なAI規制措置となる。
本措置は、ニューヨーク市の全学童の3分の2に当たる約60万人の児童・生徒に直接影響を及ぼす。
市教育局によると、学校現場で使用されている約40種類の教育ソフトウェアにおいて、生成AIを活用した機能が停止または無効化される。マムダニ市長は決定に際し「子どもたちが学び成長するためには、教師や仲間との人間的なつながりが不可欠である。難しい課題に自力で向き合い、思考力を養う時間を守るため、今後1年間をかけてAI技術が初等・中等教育に与える影響を検証する」と説明している。
また、ニューヨーク州知事のキャシー・ホウクル氏も本方針への全面的な支持を表明し、クリックやスクロールではなく対面での学習と成長に集中する環境整備を後押しする。
一律の全面禁止ではなく、配慮が必要な児童や高等教育に向けた柔軟な例外規定も設けられている。
ニューヨーク市教育局は、2022年末の生成AI登場直後には一時禁止措置を取った後、2023年に方針転換して教育的活用を推進する姿勢を示していた。
しかし今回の決定は、初等・中等教育における過度なAI依存や思考力低下への懸念から、再び「意図的な一時停止」へと舵を切った点で大きな政策転換を意味する。影響の調査・評価は、生徒、教員、保護者代表、議員、労働組合、外部専門家で構成される「学校におけるテクノロジー連合(Coalition on Technology in Schools)」が1年をかけて科学的根拠(エビデンス)に基づき実施する予定である。
世界各国で子どものスマートフォン利用禁止やスクリーンタイム制限が法制化される中、ニューヨーク市のモラトリアム措置は、生成AIの早期導入を推進してきたEdTech市場に対して大きな警鐘を鳴らす。AIの恩恵を享受しつつ、基礎的な論理思考力や対人力の形成をどのように守るべきか、日本を含む各国の教育政策にも広範な議論を波及させるとみられる。
引用元:GIGAZINE