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カナダ最大の音楽著作権管理団体であるSOCAN(20万人以上の作詞家・作曲家・音楽出版社が所属するカナダの音楽著作権管理団体)(カナダ作曲家作詞家音楽出版社協会)は、米国の音楽生成AI(テキストプロンプト等からボーカル・伴奏・編曲を含む楽曲を自動生成するAI)サービス「Suno(ユーザーの指示からボーカル付き楽曲を自動生成するAIプラットフォーム)」を運営するSuno社を相手取り、管理楽曲の演奏権(楽曲を公衆向けに演奏・上演・ストリーミング配信等で利用する排他的な権利)(Performing Rights)を侵害されたとして提訴した。

カナダ国営放送(CBC)の報道によると、SOCANは20万人を超える作詞家・作曲家・音楽出版社を代表する会員制組織である。
訴状においてSOCANは、Sunoがインターネット上でアクセス可能なほぼすべての音楽ファイルを必要な許諾やライセンス契約なしに生成AIモデルの学習に使用したと主張。さらに、Suno上で生成・ストリーミング配信された楽曲のうち、SOCAN管理楽曲と同一または酷似している150件の出力サンプルを証拠として提出した。
訴状で名指しされた主な楽曲とアーティストには以下が含まれる。
SOCANの最高法務責任者であるアンドレア・ココニス(Andrea Kokonis)氏は、「会員である音楽家たちはAI技術そのものを拒絶しているわけではなく、むしろ初期から創作ツールとして活用している。しかし、彼らの楽曲が無許諾で使われた場合には正当な対価が支払われなければならない」と述べ、Sunoの出力物が人間による作品と直接競合し、創作者の生計を脅かしていると指摘した。
またSOCANのジェニファー・ブラウン(Jennifer Brown)CEOは、「イノベーションは人間の創造性を犠牲にして成り立つべきではない」と強調している。
Sunoに対しては、2024年に米国の三大メジャーレーベル(ユニバーサル ミュージック グループ、ワーナー ミュージック グループ、ソニー ミュージック)が著作権侵害訴訟を起こしているほか、2026年9月1日にはジェイソン・イズベル(Jason Isbell)氏ら音楽家グループが集団訴訟を提起したばかりであり、カナダの権利者団体からの提訴によって国際的な法的包囲網がさらに強まる形となった。
音楽生成AIにおける著作権問題は、学習データとしての無断複製(入力側の問題)に加え、生成された楽曲が既存楽曲と実質的に類似したまま配信・収益化される(出力側の演奏権・公衆送信権侵害)という2つの側面で激化している。
特に実演・演奏権を管理する大規模著作権団体が具体的な複製サンプルを提示して提訴に踏み切ったことで、AI開発企業がこれまで主張してきた「公正利用(フェアユース)」の抗弁が実務上どこまで認められるか、世界中の著作権司法とライセンス契約交渉に多大な影響を与えるとみられる。
引用元:CBC