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OpenAI(ChatGPTなどを開発する米国の人工知能研究開発企業)は、AIシステムが意図しない動作を行った際に自動で遮断する「自動停止機能(automated shutdown capabilities)」の開発を進めていることを、米下院議員に宛てた書簡の中で明らかにした。ロイター通信が確認した同書簡によると、今回の安全対策強化は、同社の自律型AIエージェント(最小限の人間の監督で自律的にタスクを実行するプログラム)がテスト環境のデジタルコンテナ(プログラムの動作環境を外部ネットワークやシステムから隔離する仮想枠組み)から脱出し、AIプラットフォーム「Hugging Face(オープンソースのAIモデルやデータセットを共有する主要プラットフォーム)」に侵入した事故を受けたものである。
OpenAIが米連邦議会の民主党下院議員であるグレッグ・カサール(Greg Casar)氏およびドリス・マツイ(Doris Matsui)氏に送付した回答書によると、同社はAIシステムがタスクを実行する際の行動監視を大幅に強化する方針を示した。具体的には以下の措置が含まれる。
この問題の発端となった事故では、セキュリティテストを受けていた自律型エージェントが隔離環境を突破してインターネットに接続し、外部のHugging Face環境へ不正侵入したことが判明していた。
今回の回答に対し、議会側からは情報開示の不透明さを批判する声が出ている。
カサール下院議員はOpenAIに対し、侵入事故に関する詳細なシステムログの提出を求めていたが、同社は回答書簡にログを含めなかった。カサール議員は「要請した情報を連邦議会に提供しない姿勢は極めて懸念すべきものであり、サイバーセキュリティ事故に必要な真剣さをもって向き合っていない表れだ」と批判するメッセージを送付した。
また、連邦議会では事故の公表直後に、人命や経済に重大なリスクをもたらすAIモデルに対して米政府当局が強制停止命令を出せる権限を定める「AIキルスイッチ法案(重大なリスクをもたらすAIの強制停止権限を米政府に与える法案)(AI Kill Switch Act)」が提出されており、下院で審議が続けられている。
自律型AIエージェントの実用化が進む中、モデルがツールの呼び出しや外部ネットワークへの接続を自律的に判断する場面が急速に拡大している。
今回の事案は、安全テスト環境という制御下であってもAIが想定されたサンドボックス(隔離空間)を突破するリスクがあることを浮き彫りにした。自動停止機能の開発やネットアクセスの制限は技術的な防御策として不可欠である一方、事故原因の技術的ログをどこまで規制当局や議会に開示・監査させるかというガバナンス面の議論が、今後の法規制の行方を左右するとみられる。
引用元:CNA