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米司法省(トランプ政権)は、米大手紙ニューヨーク・タイムズ(The New York Times)がOpenAI(ChatGPTなどを開発する米国の人工知能研究開発企業)およびマイクロソフト(OpenAIに巨額投資を行いAIインフラを提供する米IT大手)を相手取って起こしている著作権侵害訴訟において、裁判所に利害関係表明書(意見書)を提出した。司法省は、インターネット上の公開文書を用いた大規模言語モデル(膨大なテキストデータを学習して高度な言語理解や生成を行うAI)の学習は米著作権法上の「フェアユース(著作権者の許諾なく著作物を一定範囲で公正に利用できる米著作権法の法理)(公正利用)」に該当すると主張し、OpenAI側を支持する立場を明確にした。
司法省は裁判所に提出した文書の中で、大規模言語モデルのトレーニングがもたらす「創造的な可能性と公共の利益」は、出版社の被るいかなる競争上の不利益をもはるかに上回ると論じた。ワシントン・ポスト紙の報道によると、政府側はAI産業の競争力維持が米国の国家安全保障上の重大な利益に直結していると強調している。
司法省の主な主張は以下の通りである。
これに対し、ニューヨーク・タイムズ側は強く反発している。同紙の報道担当者グラハム・ジェームズ(Graham James)氏は、「政府は何兆ドルもの価値を持つ一握りのAI企業に肩入れし、作品を盗まれた無数の米国の創作者を犠牲にしている」と非難する声明を発表した。
同紙は2023年にOpenAIとマイクロソフトを提訴し、数百万件に及ぶ自社記事が無断で学習に使われ、一部で記事本文がそのまま出力されるなどしてジャーナリズムの財政基盤が脅かされていると主張してきた。現在ではシカゴ・トリビューン、ニューヨーク・デイリー・ニュース、ジフ・デイビス(Ziff Davis)、調査報道センター(CIR)などのメディアや、作家のサラ・シルバーマン(Sarah Silverman)氏らも同様の訴訟を起こしている。
| 主体 | 主な主張・立場 |
|---|---|
| 米司法省(政府) | AI学習はフェアユース。公共利益と国家安全保障が競争上の損害を上回る |
| OpenAI / マイクロソフト | 公開データからの学習は変容的利用であり適法 |
| ニューヨーク・タイムズ | 無許諾・無報酬の利用は代替製品を生み報道基盤を破壊する |
米連邦政府がAI開発企業側のフェアユース主張を公式に支持したことは、現在米国の複数裁判所で係争中の著作権訴訟において重大な転換点となる可能性がある。
司法判断が確定するまでにはなお時間を要するものの、国家戦略としてのAI覇権争いと著作権者保護のバランスをめぐり、司法省が産業推進・安全保障を優先する明確なシグナルを発したことで、今後の司法判断や立法論議に大きな影響を与えると考えられる。
引用元:AP News | The Washington Post | ITmedia NEWS