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オムロンは2026年9月3日、先端半導体パッケージ基板の品質管理に向け、外観検査装置(AOI)と3D CT型X線検査装置(AXI)の検査データを「NVIDIA Omniverse」上で統合再現するデジタルツイン技術の実証実験を進めていることを発表しました。3D共通データ形式「OpenUSD」やAIエージェントを活用し、不良の因果関係究明から設計・製造工程へのフィードバックまでを大幅に短縮します。
近年の先端半導体パッケージでは、チップレット化や大型化、微細バンプの急増により、熱膨張差による反りや内部接合不良の特定が極めて困難になっています。
オムロンの実証では、基板表面を捉えるAOIのデータと、内部構造を非破壊断層撮像するAXIのデータをOmniverse上の同一3D空間に重畳表示します。部品表面の傾きや位置ずれと、内部のはんだ接合部のボイドやクラックを立体的に紐づけることで、リフロー工程や部品搭載工程における不良要因を直感的に特定できるようになります。
本実証には、以下の先進的な検査支援技術も盛り込まれています。
検査結果をOpenUSD(Pixarが開発しNVIDIAが推進する高機能3Dデータ記述標準)で記述することにより、検査部門だけでなく設計部門や製造部門とのデータ連携が容易になります。将来的には、検査で得た反りや接合状態のデータをCAD/CAE環境へ直接戻し、製造条件の自動補正につなげる構想です。
本技術は現在、オムロンの自社工場および一部の先行顧客での実証段階にあります。装置への組み込み機能や独立サービスとしての提供形態、正式な商用リリース時期、導入費用については現時点で未定とされています。また、熟練技術者が持つ暗黙知をAIエージェント向けにデータ化・構造化する作業が実用化における主要な課題として挙げられています。
後工程(パッケージング)の歩留まり向上は、先端AI半導体の製造コストを左右する決定的な要素です。検査装置を「不良品の選別機」から「工程全体を最適化するデータ発生源」へと進化させるオムロンの試みは、半導体製造DXにおける重要なモデルケースになるとみられます。