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セキュリティ企業のMalwarebytes(米国のセキュリティソフトウェア企業)は、情報窃取型マルウェア(インフォスティーラー)を介してClaude(Anthropicが開発するAIアシスタント)のアカウントが乗っ取られる被害が確認されたとして注意を喚起した。パスワードや二要素認証(2FA)を設定していても、Webブラウザ内に保持された認証済みセッション情報を盗み出されることで不正アクセスを許すリスクが浮き彫りになっている。
報告によると、被害者は海賊版ゲームのダウンロードをきっかけに情報窃取マルウェアへ感染した。その後、関連する各種アカウントのパスワードを変更したものの、Claudeのアクティブなログインセッションが破棄されずに残っていたため、攻撃者が認証済み状態のセッション情報を用いてアカウントへ侵入した。
セッション情報が悪用された場合、すでにユーザー認証が完了した状態とみなされるため、攻撃者はパスワードの入力や2FAコードの要求を経ずにアカウントへアクセスできる。乗っ取られたアカウントでは、利用上限までの会話が行われたほか、使用クレジット(プリペイド式従量課金クレジット)が不正に消費される被害が発生した。
開発元のAnthropic(米国のAI安全性研究開発企業)は異常な不正利用を検知し、該当セッションを強制ログアウトさせるとともに、登録されていた支払い情報を削除した。被害者へ警告メールを送信し、不正に消費された料金については全額返金対応を行ったという。
今回の事案を受けて、AnthropicおよびMalwarebytesは利用者に以下の対策を促している。
被害者の報告では、感染端末でのWindows Defenderスキャンでマルウェアが検出されなかった事例も挙げられており、エンドポイント対策ソフトの過信は禁物とされる。
日本国内でも個人開発者や企業によるClaudeの有料プラン利用やAPIクレジット活用が拡大している。パスワード管理や2FAの設定だけで安心せず、不審な端末からのアクセスがないか定期的に「Active sessions」を確認する運用が推奨される。
一方で、Anthropicは警告メールにおいて不正利用の検知手法や今回の攻撃キャンペーンの全体規模・具体的な標的範囲については特定できていないと述べており、類似のセッション窃取が他のAIサービスに対しても行われているかなどの全容は未確認のままである。
生成AIサービスのアカウントは、高価な推論リソースやAPIクレジット、さらには社内の機密プロンプト履歴に直接アクセスできるため、サイバー犯罪者にとって魅力的な標的となりつつある。従来の認証防御(ID・パスワードやSMS/アプリによる2FA)を迂回するセッションハイジャックに対しては、プラットフォーム側の異常行動検知やセッション有効期限の短縮、ユーザー側でのセッション監視といった多層的な防御が不可欠となるだろう。
引用元:後藤大地