AI関連の最新ニュースをピックアップ

米Microsoft(米国の多国籍テクノロジー企業)が提供する「Windows 11(Microsoftの最新パソコン向けオペレーティングシステム)」の先行開発ビルドにおいて、ローカルで大規模言語モデル(LLM(大量のテキストで学習した大規模言語モデル))やAIアクセラレータを効率的に動作させるための新設定「Memory for graphics and AI acceleration」が追加されていることが判明しました。
報道によると、Windows Insider ProgramのExperimental Channel(Future Platforms、Build 29648.1000、開発コード名「Rubidium」)の設定画面内に、統合メモリ(Unified Memory)をGPUやNPUへ柔軟に割り当てる項目が発見されました。
設定画面では、以下の5段階のオプションが用意されています:
| 設定項目 | 動作の概要 |
|---|---|
| Don't allow | AIやグラフィックスへの専用拡張割り当てを不許可にする |
| Recommended | システム推奨の既定バランスで割り当て(デフォルト) |
| High | GPU・NPU向けに高めのメモリ領域を事前に確保 |
| Maximum | ハードウェアが許容する最大容量をAI処理に割り当て |
| Custom | ユーザーが任意のメモリ容量を手動指定 |
従来のWindowsでは、OS全体の安定性を保つため、GPUへの動的メモリ割り当てが物理搭載メモリの約50%までに制限されていました。今回の新機能は、この「50%の壁」を超えてメモリを事前に予約し、動的なページングによる性能低下を防ぐ仕組みです。
ローカル環境で70Bクラスなどの大規模なLLMを動作させる場合、コンテキスト長(文脈保持量)の拡大やKVキャッシュ(中間計算データの保持領域)の肥大化に伴い、大容量かつ広帯域なメモリが不可欠となります。これまでMac StudioやMac miniなどのApple Silicon搭載機が統合メモリの潤沢さで優位に立っていましたが、Windows環境でも対抗基盤が整いつつあります。
ただし、本機能が実効性を持つのは、現状ではNVIDIA RTX SparkやAMD Ryzen AI Maxなど、SoC/APUレベルでUnified Memoryアーキテクチャを採用した一部の高性能PCに限定される見込みです。
本機能は実験的ビルド(Experimental Channel)における内部実装であり、Microsoftからの公式発表は行われていません。正式版Windows 11への搭載時期や、一般的なディスクリートGPU(dGPU)環境への適用可否などは現時点で未確定です。
Windows PCにおけるローカルAIエコシステムが成熟することで、プライバシーを保護しつつ高度なコーディング支援や自律エージェントをローカルで動かしたい開発者にとって、選択肢が大きく広がる展開が期待されます。
引用元:ITmedia PC USER