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オープンソースハードウェア大手のArduinoは2026年8月25日、最大40TOPSの処理性能を持つNPU(AIの推論処理に特化したニューラルプロセッシングユニット)を搭載し、ローカルLLMを直接実行できる小型マイコンボード「Arduino VENTUNO Q」を発表しました。正規販売店を通じて299ドルで予約販売を開始しています。
Arduino VENTUNO Qは、サイズ160mm×100mmのボード上にAI推論エンジンと物理制御マイコンを統合した設計が特徴です。
OSにはUbuntuとZephyr RTOSがプリインストールされており、近日中にDebianへの対応も予定されています。
本ボードは「Qualcomm AI Hub」を介し、以下の軽量AIモデルがプリセットとして設定不要ですぐに動作します。
| モデル名 | 種別 | 特徴 |
|---|---|---|
| Qwen 3 4B LLM | 言語モデル | オンデバイスでのテキスト生成・推論 |
| Qwen 2.5 7B VLM | 視覚言語モデル | カメラ画像からの状況理解・説明 |
| Qwen 3 4B VLM | 視覚言語モデル | 高速なマルチモーダル処理 |
| Gemma 4 E2B / E4B | 軽量言語モデル | 省電力・エッジ向け高効率推論 |
開発環境として「Arduino App Lab」がプリロードされており、C++やPythonによるプログラミングのほか、Hugging FaceからGGUF(ローカル環境でLLMを高速実行するためのバイナリモデル形式)形式のモデルを直接ロードして実行できます。さらにEdge Impulse Studioとの連携により、カスタムAIモデルの導入にも対応します。
従来のマイコンボードではクラウドAPIへの依存が不可欠でしたが、VENTUNO Qは40TOPSのNPUと16GBメモリにより、通信遅延のない完全オフライン推論を実現します。STM32マイコンによる精密なハードウェア制御とQualcommプロセッサによるAI判断が1枚の基板で完結するため、自律走行ロボットやスマート機器の試作・量産が大幅に加速します。
公式ストアでは初回予約分が即座に品切れとなっており、日本国内の正規代理店を通じた技適取得済みモデルの流通時期および次回入荷スケジュールは未公表です。
クラウド接続前提だった生成AIが、マイコンボード上で直接動作する「フィジカルAI」の実用段階へと移行しています。299ドルという手頃な価格帯で40TOPSの推論能力とオープンな開発環境が提供されたことで、ホビー開発者から産業ロボットのプロトタイピングまで、エッジAIの社会実装が一気に広がる契機になるとみられます。
引用元:gihyo.jp