米 Microsoft(WindowsやAzure、セキュリティソリューションを提供する大手企業) の脅威インテリジェンス部門(Microsoft Threat Intelligence)は2026年8月26日、企業のAIワークロードや中継ゲートウェイを狙った実際のサイバー攻撃活動に関する詳細な脅威レポートを公開しました。
観測された3つのAIインフラ標的型攻撃
調査では、以下の3つの主要なAIミドルウェア環境に対する侵害事例が報告されています。
- LiteLLM(各種LLMへのAPIリクエストを統一中継するオープンソースゲートウェイ) ゲートウェイの侵害: 公開設定の不備を突いてAPIキーや認証情報を窃取し、モデルの不正利用や設定改ざんを実行。
- RAGFlow(検索拡張生成(RAG)パイプラインを構築・管理するオープンソース基盤) 環境への侵入: ドキュメント検索・取得パイプラインの制御点を侵害し、社内データストアへの横展開を試行。
- Kestra(データおよびAIワークフローを自動化するオーケストレーション基盤) の悪用: パイプラインを乗っ取り、高価なGPU計算リソース上で暗号資産マイニング(XMRig等)を展開。
攻撃者がAIインフラを狙う動機と防御ガイドライン
AIゲートウェイやオーケストレーション基盤は、データアクセス権限、APIトークン、実行権限が集中する「信頼の集中点」となっているため、格好の標的となっています。
- コントロールプレーンの分離: データプレーンと管理コントロールプレーンの通信経路を厳格に分離する。
- 最小特権と認証トークンの保護: APIキーのアクセス範囲を制限し、定期的なローテーションを実施。
- インターネット直接公開の禁止: 管理コンソールやゲートウェイエンドポイントへのアクセスを閉域網・ゼロトラスト環境に限定。
- GPUリソースのランタイム監視: 異常な計算負荷や不正なアウトバウンド通信を検知する監視体制を構築。
AI時代のセキュリティ対策の展望
分析: プロンプトインジェクションなどのモデル直接攻撃に加え、AIを運用する周辺インフラ(ゲートウェイ・RAG基盤・オーケストレーター)のセキュリティ堅牢化が企業の最重要課題となっています。
引用元:Microsoft Security Blog