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Google(米国の多国籍テクノロジー企業)、英国気象庁(Met Office)、英航空管制サービスNATS、非営利組織Contrails.org、インペリアル・カレッジ・ロンドン、ケンブリッジ大学によるコンソーシアムは、航空機から発生する飛行機雲による温暖化影響をAIで回避する世界初の大洋上実証実験「Operation Blue Skies」を開始した。
本プロジェクトは総額500万ポンド、30カ月にわたるプログラムであり、英国運輸省(DfT)のATI(Aerospace Technology Institute)プログラムから265万ポンドの資金提供を受けている。またGoogle UKはプロボノとして参加し、AI研究知見、エンジニアリング工数、高性能計算インフラとして140万ポンド相当の現物支援を提供する。
大気モデリングによると、北大西洋東部のシャンウィック洋上管制空域(Shanwick OCA)は、世界全体の飛行機雲による温暖化影響の約5%を占めており、その大部分が11月から2月の冬季に集中している。本実験では、気象条件と衛星データからAIモデルが温暖化リスクの高い飛行機雲の発生を予測し、通常の航空交通管制(ATC)通信を通じて民間航空機の巡航高度をわずかに調整する運用手法を検証する。実証は2026〜2027年および2027〜2028年の冬季において、航空交通量の少ない時間帯を中心に各冬20〜40日程度実施される予定である。
産官学の共同体は以下の5つの重要領域で役割を分担している。
飛行機雲(卷雲)は上空の大気に熱を閉じ込める温室効果を持ち、航空業界の気候影響全体の約3分の1を占めるとされる。従来の持続可能な航空燃料(SAF)やゼロエミッション機材の開発には多大な時間とコストを要するが、AIによる飛行高度の微調整は既存機材のまま短期間で気候負荷を低減できるアプローチとして期待されている。
一方で、高度変更に伴う追加燃料消費と飛行機雲抑制による温暖化防止効果のトレードオフや、混雑する洋上空域における管制負担の増大が実用化に向けた課題となる。実証実験を通じてこれらの実効性を数値検証することが本プログラムの主要な目的となっている。
今回の取り組みは、AIを活用した気候変動対策が単なるシミュレーション研究から実社会の航空管制インフラへの統合フェーズへと進展したことを示している。大洋上の基幹航空路において安全性と気候影響削減が両立できると実証されれば、国際民間航空機関(ICAO)や世界各国の航空管制機関における運用標準への波及が期待される。

NATS
Operation Blue Skies Takes Off: Landmark Oceanic Airspace Trial to Test AI-Driven Contrail Avoidance
NATS provides safe and efficient air traffic services and innovative solutions to UK and international airports, airlines and governments.
https://www.nats.aero/news/operation-blue-skies

GIGAZINE
AIにより飛行機雲発生の少ない空路を選んで地球温暖化緩和を目指す「Operation Blue Skies」をGoogleが始動
飛行機雲(コントレイル)は、航空機が搭載しているジェットエンジンの排気ガスに含まれる煤粒子に水蒸気が凝結して形成されるもので、地球温暖化の原因の1つであり、航空業界による気候への影響のおよそ3分の1を占めています。このため、GoogleはAIを活用して北大西洋上の空路を飛行機雲が発生しにくいものにする試みに、イギリス政府や航空業界の協力を得て取り組んでいます。試みは「Operation Blue Skies(青空作戦/ブルースカイズ作戦)」と呼ばれています。
https://gigazine.net/news/20260819-operation-blue-skies