AI関連の最新ニュースをピックアップ
デンマーク教育省は、高校生(16〜19歳)が提出する自宅作成の筆記課題に対して、内容を自力で説明する口頭試問を義務付ける新ルールを発表した。生成AIを用いた代筆や学業不正を防ぎ、生徒の思考力や文章作成能力を守る狙いがある。
近年、教育現場においてChatGPTなどのAIツールが急速に浸透している。教科書の補足学習や個別の理解度に応じた解説など有益な活用法がある一方で、宿題やレポートの代筆に利用されるケースが相次ぎ問題視されている。
デンマーク教育省が2026年8月6日に発表した方針によると、年間約9000人の高校生が取り組む大規模レポート課題「SSO(større skriftlige opgave)」において、単なるレポート提出だけでなく口頭での発表・回答が義務化される。さらに、筆記試験におけるPCの監視ツール導入や、学校ネットワークでのフィルタリング用ファイアウォール設置、および管理された環境下での作業が学校側に求められる。マグナス・ホイニッケ教育相は「高校でのAI不正は緊急の課題であり、自ら考える力を保護することが重要だ」と強調した。

北欧諸国ではAIの教育利用に対する規制強化の動きが広がっている。2026年6月にはノルウェーが小学生のAI利用を原則禁止とし、紙の教科書へ回帰する方針を打ち出した。
| 国名 | 対象 | 主な規制・対策内容 |
|---|---|---|
| デンマーク | 高校生(16〜19歳) | 筆記課題の口頭試問義務化・PC監視 |
| ノルウェー | 小学生 | AI利用の原則禁止・紙教材の重視 |
今回のデンマークの決定は、AIの全面禁止ではなく「本人が理解・作成したか」を口頭で問う検証方式を導入した点が特徴的である。なお、デンマークの大学や大学院では以前から口頭試問が主流であり、高等教育の評価基準が中等教育にも波及した形となる。
AI文章生成の検出器(AIディテクター)は誤検知リスクが懸念されており、技術的検出に依存しない評価方法として口頭試問の有効性が再評価されている。文章をAIで生成できても、その内容について質問され答えるには深い理解が不可欠である。今後は他国の教育機関でも、対面での口頭発表やライブでの執筆プロセス評価へのシフトが進むとみられる。
引用元:GIGAZINE