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日本HPが、NVIDIAのGPUを搭載した高性能ワークステーションを高校向けに提案している。動画編集や3D設計、生成AIを使ったデータ分析など、専門的な学びに挑む生徒の「作りたい」という意欲を、処理性能不足で止めないための機材として位置づけ、文部科学省が進める「高等学校DX加速化推進事業(DXハイスクール)」や2040年を見据えた「N-E.X.T.ハイスクール構想」に取り組む学校を支援するという。教育専門メディア「こどもとIT」(edu.watch.impress.co.jp)が、日本HP エンタープライズ営業統括 パブリックセクターDX推進営業部の三浦郁也氏に取材した内容に基づく。
日本HPのデスクトップワークステーション「HP Zシリーズ」は、IDCの調査(2025年第4四半期時点、2024〜2025年集計)によると国内シェア第1位を2年連続で維持しているという。世界中の研究機関や米国防総省、NASAといった信頼性が求められる現場でも採用されているとされる。
DXハイスクールやN-E.X.T.ハイスクール構想のメインマシンとして三浦氏が挙げるのは「HP Z6 G5」で、NVIDIAの最新GPUを最大3基搭載できる。米軍調達基準(MIL規格(米軍が機器に定める過酷な環境耐久試験の基準))を含む耐久試験をクリアしており、故障による授業停止を抑えられるという。独自の冷却技術と静音設計により、演算処理中もファンの音が授業を妨げにくい。電源投入時からOSの全層を保護する「HP Wolf Security for Business」も標準搭載する。
ローカルでAIを動かす用途には、手のひらサイズの超小型AIスーパーコンピューター「HP ZGX Nano AI Station」も用意されている。NVIDIA GB10 Grace Blackwell Superchip(NVIDIA製の小型AI向け統合チップ)を搭載し、1000TOPS(AIチップの推論性能を示す指標(Tera Operations Per Secondの略))のAIコンピューティング性能を持つという。単独で使うほか、既存のモバイルワークステーションと組み合わせて演算能力を増強する「外付けGPU」のような使い方もでき、クラウドに依存せず学校内のローカル環境でAIモデルの試作・推論を完結できるとしている。
三浦氏が導入事例として挙げたのが岡山県立瀬戸高等学校だ。同校では以前、スペックを抑えたノート型ワークステーションを使用していたが、最新の動画編集ソフトを動かすには力不足で、編集作業が止まる場面があったという。DXハイスクール予算を活用して最新の「HP Zシリーズ」を導入した結果、処理が劇的にスムーズになり、部活動や探究学習で生徒が順番待ちをして制作に取り組むようになったとされる。同校ではワークステーションと3Dプリンターをセットで導入し、CADで設計したデータを立体物として出力する実習も行われているという。
今回の記事では、「HP Z6 G5」や「HP ZGX Nano AI Station」の具体的な価格、全国での導入校数や都道府県ごとの展開状況は明らかにされていない。導入事例として挙げられているのは岡山県立瀬戸高校のみで、他校への広がりの程度は不明だ。また、世界的なAI需要拡大に伴うメモリなど部材の不足で納期の長期化や価格上昇が続いているとされるが、具体的な納期や上昇幅の数値は示されていない。
編集部注: DXハイスクールやN-E.X.T.ハイスクール構想は文部科学省が主導する政策であり、GPU搭載ワークステーションのような高性能機材を高校段階から使わせる動きは、生成AIやデータサイエンスを扱える人材育成の裾野を広げる狙いとみられる。一方、記事内で言及されている部材不足・価格上昇の傾向が続けば、補助金を活用できる期間内に機材を確保できるかどうかが、自治体や学校の意思決定を左右する可能性がある。