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米ニューヨーク州のKathy Hochul知事は、消費電力50メガワット以上の大規模ハイパースケールAIデータセンター(大規模AIモデルの学習や推論に必要な大量の計算資源を稼働させる大規模施設)の新設許可手続きを最長1年間一時停止(モラトリアム)する執行命令に署名しました。米国の州レベルにおける一時停止命令の導入は初となります。
本命令は環境影響評価の実施を目的としており、送電網の容量不足や一般家庭の電気料金上昇に対する住民の強い懸念を受けたものです。Goldman Sachsの試算によると、米国のデータセンター電力需要は2025年の31ギガワットから2027年には66ギガワットへ倍増し、夏季ピーク需要の8.5%を占める見通しとなっています。7月18日には全米125カ所以上で市民抗議活動が発生しました。
本決定に対し、Trump大統領は「データセンターは州の経済的資産であり、中国とのAI競争で後れを取る」として即座の方針転換を主張。これに対しHochul知事は「地域社会への電力負担転嫁を防ぎ、州主導でビッグテック企業との交渉力を確保する」と反論しています。
AIデータセンターの電力消費に起因する建設規制は、欧州諸国が先んじて経験している課題です。
| 地域 | 実施された規制内容 | 着地点と運用の結果 |
|---|---|---|
| 米国・NY州 (今回) | 50MW以上の新設許可を最長1年一時停止 | 環境評価を進めつつ州主導のルールを策定中 |
| アイルランド / オランダ | 送電網への負荷制限に伴うモラトリアム | 自家発電能力の併設や再生エネ確保を条件に「条件付き再開」 |
過去にアイルランドやオランダで実施されたモラトリアムでは、完全な禁止ではなく、自家発電設備の併設や再生可能エネルギーの直接調達を課す「条件付き許可」へと移行しました。ニューヨーク州や今後の米国各州における規制も同様の着地点を辿る可能性が高いと分析されます。
生成AIモデルの大型化に伴い、計算資源の確保は単純なサーバー調達から「電力網の確保と環境負荷制御」へと主戦場がシフトしています。電力インフラの制約がAI開発速度のボトルネックとなりつつある中、各州の規制動向がビッグテック企業の投資先選定に直接的な影響を与える見通しです。
引用元:クラウド Watch