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中国のAI(人工知能(Artificial Intelligence))スタートアップDeepSeekが、2026年末にも中国本土でのIPO(新規株式公開(Initial Public Offering)。企業が証券取引所に株式を上場し、一般投資家から資金を調達すること)申請を行い、2027年の上場を目指す準備に入った。直近の70億ドル調達からわずか数週間で、さらに評価額を大幅に引き上げた追加ラウンドも並行交渉しており、中国AI業界最大級の上場案件となる可能性がある。
DeepSeekは2026年6月初旬、Tencent(テンセント)やCATL(寧徳時代)、国家人工知能産業投資基金などから約70億ドル(評価額約520億ドル)の初の外部資金調達を完了した(ST)。これは中国テックスタートアップの初回調達として過去最大の規模だった。
しかし同社はこの完了からわずか数週間で、新たな投資家との追加ラウンドの予備協議を開始した。STによれば、プレマネー評価額(新たな投資を受け入れる前の企業価値評価額)は少なくとも4,800億元(約690億ドル)を想定しており、最低100億元の調達を目指す。Financial Timesの報道を引用したPYMNTS.comは、この追加ラウンドでの評価額を約710億ドルとし、前回から約37%の上昇と伝えている。
IPOに関しては、会計事務所と協力して12月末までに財務報告書を完成させる計画で、2026年末から2027年初頭にかけて申請する方針だ(ST)。ただし、協議はなお流動的であり、市場環境や業績次第でスケジュールは変更される可能性がある。
急ピッチの追加調達には明確な背景がある。PYMNTS.comによれば、DeepSeekの資金需要を押し上げている最大の要因は、自社データセンター(大規模なサーバー群を収容し、AIモデルの学習・推論処理を行う施設)の建設とAIチップの追加調達、そしてエージェントAI(人間の介在なしに自律的にタスクを遂行するAIソフトウェア。agentic AIとも呼ばれる)の開発に伴う計算資源の急増だ。前回調達の資金はインフラ強化とAI研究者の採用に充てられている。
一方で創業者の梁文鋒(Liang Wenfeng)氏は、短期的な商業化よりもオープンソースモデルの開発継続と汎用人工知能(AGI)の達成を優先する方針を投資家に明示している(ST)。同氏は前回ラウンドで約30億ドルを自己資金で出資した最大の投資家でもある(PYMNTS.com)。
わずか1カ月余りで評価額が520億ドルから690億〜710億ドルへ跳ね上がる資金調達ペースは、DeepSeekが2025年に少ない計算資源で高性能モデルを実現し、米国の先端半導体輸出規制下でも競争力を証明したことへの市場の評価を反映している。梁氏の純資産は直近の調達後に360億ドルに達し、AIモデル創業者として世界最高額となった(ST)。
ただし、研究優先・商業化後回しの方針のまま巨額調達とIPOを同時に進める戦略には、収益基盤の不透明さというリスクが伴う。協議が流動的である点をソース自身が繰り返し指摘しており、IPOの時期や追加ラウンドの最終条件が確定した段階で改めて注視する必要がある。
引用元:ST | PYMNTS.com