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NVIDIAはCOMPUTEX TAIPEI 2026(台湾で毎年開催されるアジア最大級のコンピュータ見本市)で、ARM ベースの新スーパーチップ「RTX Spark(NVIDIAが発表したGrace CPUとBlackwell GPUを統合したAI向けSoC)」を発表した。最大1PFLOPSのAI演算性能と128GBの統合メモリを単一チップに集約し、これまでデータセンターでしか動かせなかった大規模AIモデルを薄型ノートPC上でローカル実行できるようにする。搭載PCは主要6メーカーから2026年秋に発売される予定だ。

RTX SparkはMediaTek(台湾の大手半導体メーカー)との共同開発によるSoCで、20コアのNVIDIA Grace CPUとBlackwellアーキテクチャ(NVIDIAの最新GPUアーキテクチャ)のRTX GPUを単一チップに統合している。主要スペックは以下のとおり(ITmedia PC USER)。
| 項目 | 仕様 |
|---|---|
| CPU | NVIDIA Grace 20コア(ARMベース) |
| GPU | Blackwellアーキテクチャ RTX |
| AI演算性能 | 最大 1PFLOPS |
| 統合メモリ | 最大 128GB |
| 共同開発 | MediaTek |
| 発売時期 | 2026年秋 |
この統合メモリにより、1200億パラメータ規模の大規模言語モデル(LLM)(大量のテキストデータで訓練された自然言語処理AIモデル)やAIエージェントをクラウドに送信せずローカルで処理できる。NVIDIAとMicrosoftが共同で推進する「ローカルAIエージェント」構想では、OSやアプリケーションとAIが直接連携し、自然言語での指示だけで複数タスクを自動遂行する利用形態が想定されている。
ローカルAIエージェントの安全な運用を支えるセキュリティフレームワーク「OpenShell」も発表された。ユーザーのプライバシーポリシーに基づいてAIモデルへのクエリを制御し、クラウド送信時に個人情報を自動マスクする機能を備える。
クリエイティブ領域では、AdobeがPhotoshopとPremiereのアーキテクチャをRTX Spark向けに再設計。生成AI「Firefly」を活用した生成塗りつぶし等のAI処理や編集・エフェクト処理が最大2倍に高速化される。ゲーミング領域でもDLSS 4.5をサポートし、WQHD(2560×1440ピクセル)環境で100fps超のAAAタイトルプレイが可能とされている。
RTX Sparkを搭載したノートPC・小型デスクトップPCは、以下の主要メーカーから2026年秋に順次発売される予定だ。
| メーカー | 製品名 |
|---|---|
| ASUS | ProArt P16 |
| Dell | XPS 16 |
| HP | OmniBook X 14 |
| Lenovo | Yoga Pro 9n |
| Microsoft | Surface Laptop Ultra |
| MSI | Prestige N16 Flip AI+ |
今回の発表では以下の点が明らかにされていない。
RTX Sparkが実現するローカルAI処理は、クラウドAIサービスに対して通信遅延ゼロ・データ外部送信なしという2つの構造的優位を持つ。企業の機密情報を扱う業務でクラウドAI導入に慎重だった層にとって、データがデバイス外に出ないアーキテクチャは採用障壁を大きく下げるとみられる。一方、1PFLOPSという数値はAI演算(低精度浮動小数点)での理論値であり、実際のLLM推論速度やマルチタスク時の実効性能は、搭載PC各社のベンチマーク公開を待つ必要がある。6社一斉の製品投入が実現すれば、2026年秋のPC市場はAI性能を軸にした新たな競争局面に入る。
引用元:ITmedia PC USER