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Metaは、AIチャットで画像を生成するMuse Image(Metaが提供するテキスト指示から画像を生成するAI機能)のInstagram連携機能を停止した。他人の公開投稿を参照して本人の同意なくAI画像を作れる仕組みが批判を浴び、7月7日の公開からわずか数日での撤回となった。Instagramを利用するクリエイターや著名人にとって、無断でAI画像の素材にされるリスクがひとまず解消された形となる。

Muse Imageは、テキストの指示から画像を生成するMeta AIの機能だ。問題となったInstagram連携では、チャット上で公開中のInstagramアカウントを@メンション(宛先指定)するだけで、そのアカウントの投稿スタイルや写真を参照し、カスタム画像を生成できた。
Metaは公式ブログで「カスタムイベント招待状のデザインや共同クリエイティブのコンセプト試作」などの用途を想定していると説明していたが、実質的には他人の投稿から本人の許可なくディープフェイク(AIによる人物の合成画像・動画)に近い画像を作成できる状態だった(Gadget Gate)。
最大の問題は、この機能がデフォルトで有効なオプトアウト(初期状態で利用が許可され、利用者が自ら拒否手続きを行う方式)方式を採用していた点にある。利用を拒否するには、設定メニュー内の「他の人があなたのコンテンツを使って作成・再利用できることを許可」をオフにするか、アカウント自体を非公開に切り替える必要があった(Gadget Gate)。
ハリウッドの大手芸能事務所CAA(Creative Artists Agency。トム・ハンクス氏やメリル・ストリープ氏らを顧客に持つ米大手芸能事務所)は、Metaに直接懸念を伝え、「明確に文書化された同意がない限り、氏名や画像、肖像、声、あるいは創作物がAIモデルを含む第三者によって利用されるべきではない」との声明を出した。俳優組合SAG-AFTRAも組合員にオプトアウトするよう呼びかけ、この機能を「公の感情に対する完全な誤算」と批判した(WBZ NewsRadio 1030)。
Metaはこれを受けて発表ブログを更新し、「この機能は期待外れだったとのフィードバックを受けたため、提供を終了した」と表明した。
Gadget Gateの報道では、Metaが「期待外れだった」と認めた経緯やオプトアウト設定の具体的な項目名に焦点を当てている。一方、WBZ NewsRadioの報道では、SAG-AFTRAの公式声明として「非合意のデジタルレプリカの危険性は周知のものであり、そうした行為を助長する機能は不適切」という文言や、俳優マシュー・マコノヒー氏がAIによる肖像の無断利用から自身を守る措置をとった事例が追加で報じられている。ただし、Instagram連携以外のMuse Imageの機能は引き続き利用可能であるとの記述はWBZ NewsRadio側にのみ確認できる。
今回の撤回は、業界団体の組織的な抗議がテック企業のAI施策を数日で覆した事例として注目に値する。Metaは以前からプライバシーの扱いで物議を醸してきたが、AI学習に膨大なデータを必要とする現在の状況下では、デフォルトでデータを収集するオプトアウト方式への風当たりが一段と強まっている。CAA・SAG-AFTRAが主張する「明確な同意なき利用の禁止」は、AI時代のデータ利用ルールとして制度化される可能性があり、同種の機能を展開する他社にも影響が及ぶとみられる。