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AI(人工知能)やHPC(高性能計算)向け半導体需要の爆発的な増加に伴い、台湾TSMC社の先進パッケージング技術「CoWoS(半導体と基板を密に繋ぐ立体実装技術)」の供給能力が極めて逼迫している。供給が需要を大幅に下回っているため、主要顧客であるNVIDIA社やAMD社などの先進パッケージング注文の一部が、競合である米インテル社や台湾のOSAT(半導体の後工程を受託する専門企業)へ流出(スピルオーバー)し始めている。

次世代AIアクセラレータは、ロジックチップと高帯域幅メモリ(HBM)を同一パッケージ上に配置するために、先進的な立体パッケージング技術を必要とする。TSMCのCoWoSはそのデファクトスタンダード(事実上の業界標準)として広く利用されてきたが、サプライチェーン内の部材不足もあり、需要に追いつかないボトルネックが発生している。
この供給不足を背景に、インテル社は米国政府の強力な支援を受け、独自のパッケージング技術「EMIB(チップ間を繋ぐ高速インターフェース技術)」を強みに先進パッケージングの受託サービス(ファウンドリ)市場で攻勢をかけている。また、台湾のパッケージング・テスト大手であるASE社、SPIL社、Powertech社、KYEC社などもTSMCからあふれた注文を獲得して収益を伸ばしている。
報道によると、NVIDIAは次世代「Feynman(ファインマン)」GPU(グラフィックス処理プロセッサ)のパッケージングの一部について、インテルのEMIBを採用して製造委託する動きを見せている。また、AMDも次世代の「EPYC Venice」プロセッサや、新型AIチップ「MI400」「MI500」向けにTSMCの生産枠を予約しているものの、供給不足に対応するため代替ソースの検討を迫られているとみられる。
これまでAI半導体の競争は、主に回路線幅を細くする微細化プロセス(前工程)の争いであった。しかし、微細化の物理的限界が近づく中、いかに複数のチップを高密度に結合するかという「パッケージング技術(後工程)」の確保がAIチップの出荷量を決める最大の鍵となっている。TSMC一強だったサプライチェーンにインテルなどの競合が食い込むことで、半導体業界の勢力図に変化が生じる可能性がある。
引用元:Wccftech